当院で行っている個別健診である
後期健診についてご説明します。
小児科学には病児を対象とした小児病学に加えて、病気の予防や小児の健康の維持を目指す小児保健学の分野があります。
乳幼児健診は、1939年(昭和14年)に愛育会と中央社会事業協会の主導により「乳幼児一斉健康診断」が行われたのが始まりです。
乳幼児健診の目的は時代とともに変わってきています。
2015年4月より「第2次健やか親子21」が始まりました。10年後にわが国が目指す社会は「すべての子どもたちが健やかに育つ社会」であり、子どもたちが全国どこにいても同じ保健サービスが受けられることが目標です。
乳幼児健診については、子どもの虐待防止対策、育児不安などを抱える養育者へのサポート、健診の標準化など検討されている課題もありますが、病を未然に防ぐ予防医学や疾病の早期発見により予後を改善することは患児および家族の負担を軽減します。
乳幼児健診には、1か月健診、4か月健診、後期(9-10か月)健診、1歳半健診、3歳半健診がありますが、このページでは当院で行っている個別健診である後期健診についてご説明します。
乳児健診は月曜日の14:00~16:00の専用枠にて行っています。
乳幼児健診
乳児健診は完全予約制ですので、パソコンまたはお手持ちのスマートフォン、携帯電話を用いて、当院ホームページ画面より、接種希望日の前日までにWEB予約してください。
主に後期健診を取り行っていますが、里帰り分娩後すぐに今のお住まいに戻られ1ヶ月健診を受けていないお子さんの健診もお受けします。
お持ちいただくもの
●診察券(既にお持ちの方)
●保険証
●母子手帳
●後期健診受診票(ご希望の方は1か月健診受診票)
※母子手帳をお忘れになられた場合、予防接種はできませんのでご注意ください。
※健診受診票の欄に予めご記入の上で来院していただくとスムーズに健診を受けることができます。
⑴ 予約時刻の5分前になりましたら院内へお入りください。
⑵ 受付で保険証を提示してください。初診の方は診察券をお作りします。再診の方は診察券、母子手帳、後期健診受診票をお渡しください。
⑶ 呼び出しがあるまで待合室でお待ちください。
⑷ 呼び出しがあれば処置室へ移動し、身体計測を受けます。
⑸ 計測が終り次第、診察室1へ移動し、医師の診察を受けます。
⑹ 受付にて診察券、母子手帳を受け取り、そのままお帰りいただいて結構です。
1.運動発達
正常発達では、生後9〜10か月は四つ這いができ、つかまり立ちができはじめる時期です。
-
1)座位(おすわり)
すでに座位は獲得されていなければならない月齢であり、手放しで座位が保てなければ運動発達に問題があります。
-
2)はいはい
正常児では、この時期にずり這い(お腹を床につけたまま進むもの)から四つ這い(お腹をうかせて手と膝の4点で体を支えて進むもの)になっています。
四つ這いができていなければ、運動発達に問題があるとされます。
しかし、予後正常なお子さんの中でも、四つ這いをしない子は少なからずみられます。「いざりっ子」と言われる子たちがその代表です。
この子たちは、腹這いにされることを嫌がり、足の裏を床につけることをせず、四つ這いもしません。
いざりっ子たちは座位のまま移動や背這いを主な移動手段としますがおよそ1歳半~2歳頃には自然に周りのお子さんと同様に立って一人で歩けるようになりますので心配はいりません。 -
3)つかまり立ち
片膝立ちから立ち上がるのが、つかまり立ちの成熟した形です。膝をつかず両腕で体を持ち上げるようなつかまり立ち、つま先立ち、体や足がふにゃふにゃしているがばたばた動き、急に反ったりねじれた姿勢になるのは要注意です。
-
4)手や指の巧みな動作
この時期の正常児では、座位で正面のものに手を伸ばしつかむことができます。
ものを左右に持ち替えることもできます。
小さなものを親指と人差し指でつまむこともできます。
したがって、床に落ちているものを指でつまんでそのまま口に入れてしまうので、小さなものは赤ちゃんの手の届かないところに片づけましょう。
特にご両親が喫煙者であるならば、たばこの管理に十分気をつけてください。
利き手の分化はまだないので、一方の手だけを優先的に使うならば、反対側の手の麻痺が疑われることもあります。 -
5)神経学的所見
生後9〜10か月になれば、筋の緊張(手足に力が入るか)の評価ができます。
仰向けで股関節を曲げた状態で膝を曲げ伸ばし(膝の分離伸展運動)できれば痙性両麻痺は否定できます。
姿勢の評価も重要で、痙性両麻痺では両足を閉じて伸ばしている姿勢を取りやすいとされています。
2.精神発達
人見知りは8か月頃から始まり、「いけません!」などの感情のこもった声の調子を聞き分けることは9か月頃からできます。
言語は喃語(なんご)といわれる「あうあう」「あぶぶぅ」など意味のない言葉を話すようになります。
発達の早い子であれば「ママ」「パパ」などの意味のある言葉が出ていることもあります。
言語理解も進み、「はい、どうぞ」と言ってスプーンを渡すと手を出して受け取ったり、「ちょうだい」と言って手を出すと、自分の手に持っている物を渡してくれたりするようになります。
短期記憶力も発達し、親のする動作を真似したり、目の前で見せたものを隠すとそれを探したりするようになります。
-
Question.
1カ月ですがもう目は見えていますか?
Answer.
1ヵ月の赤ちゃんは明瞭には見えませんが、ぼんやりとは見えています。
視力に換算すると0.03程度といわれています。
色の感覚はなく、白黒などはわかります。
母親の顔や大きな色のはっきりしたものを眼の前に見せると見つめることがあります。
生後1ヵ月では左右の目を同時に動かすことができません。したがって、寄り目や左右の目の位置が違っていても異常ではありません。 -
Question.
1カ月頃から便秘になってしまいましたが?
Answer.
生後1ヵ月になると、生まれた直後とくらべて腸の動きも穏やかになるため、特にミルクで育てているお子さんでは排便回数が2-3日に1回になることが多いです。
排便回数が数日に1回であっても、元気に哺乳でき、嘔吐や不機嫌がなければ様子をみてよいです。
検査や飲み薬、浣腸などはいらないことが多いです。
そもそも便秘とは「1週間に2回以下の排便」のことを指します。
綿棒浣腸をするタイミングは、排便が5日間みられなかった時に行いましょう。
綿棒浣腸は、綿棒にオリーブオイルやワセリンなどを塗って滑りをよくした上で、綿のついた部分(先端から5mm)だけでなく、先端から2-3cmほどしっかり肛門に入れて、ゆっくりと「の」の字を描きましょう。
綿棒を挿入する長さが十分でないと効果は期待できません。 -
Question.
3ヵ月健診で太り過ぎといわれました。このまま肥満児になるのですか?
Answer.
生後3ヵ月までは1日25~30gの体重増加が基準です。
母子手帳にある成長曲線に身長・体重をプロットしてみましょう。
身長よりも明らかに体重の方が多い、または成長曲線の基準値(色で塗られている範囲)をはるかに上回っている場合は、将来の肥満のリスクになりえますのでミルクの量を見直しましょう。
完全母乳栄養のお子さんは、肥満となるリスクは高くなく、乳児期後半にかけて体重増加が落ち着いてくることが多いです。 -
Question.
おちんちんが皮をかぶっていますが?
Answer.
子どものほとんどは亀頭が包皮に包まれた包茎状態です。
子どもの包茎の多くは病気でなく、生理的な状態ですので、必ずしも青年期以降の包茎に直結するものではありません。
多くは思春期以降に自然と亀頭の露出された状態になります。
くれぐれも無理に皮をむく必要はありません。万一、無理に皮をむいてしまい元に戻らなくなると、おちんちんの先が首吊り状態となり、血液が通わなくなって壊死してしまう危険性があります。
子どもの包茎で治療を要するのは、おしっこの出口が極端にせまく排尿時に包皮内におしっこがたまって風船のように膨らむ、おちんちんの先端に炎症を起こして腫れる(亀頭包皮炎)ことが繰り返されるような場合です。 -
Question.
赤ちゃんのおっぱいが大きくなってきましたが大丈夫でしょうか?
Answer.
赤ちゃんは胎盤を通してお母さんの女性ホルモンをもらっています。赤ちゃんのおっぱいは生まれた後にお母さんからもらった女性ホルモンの影響でふくらんでくることがありますが、男女問わず多くの赤ちゃんにみられます。
生後1ヵ月くらいで自然に小さくなるため様子をみてよいでしょう。
女の子で2歳前後におっぱいがふくらんでくる早発乳房があります。2年以内に自然に元に戻ることが多いですが、一部に思春期早発症へ移行するものがあるためかかりつけ医での定期的な経過観察が必要です。 -
Question.
おっぱいを飲む回数は1日に何回ぐらい、どのくらいの量を飲めばよいですか?
Answer.
授乳のパターンは100組の母児があれば100通りあるともいわれ、「1日に何回、どれくらいの量を飲めばよいか」という問いへの答えはなく、お子さんによってそれぞれ違うとしかいえません。
赤ちゃんが欲しがるときに好きなだけ与えるのが自律授乳の基本であり、一般的に授乳回数は1日8~12回くらいです。
1回量は粉ミルク缶の表示などで体重1kg当り20mlと言われていますが、あくまで目安に過ぎません。
授乳間隔は一般に3~4時間毎ですが、必ずしも厳密に授乳間隔をまもる必要はありません。大切なのは授乳間隔ではなく1日に成長に必要な量を十分に摂取できているかです。
1日の授乳量の目安は体重1kg当り100~200mlと言われています。 -
Question.
おへそがじゅくじゅくして心配です。
Answer.
へその緒がとれるまで少しじゅくじゅくすることがありますが、多くは沐浴時にベビーソープで洗うなどして清潔を保ち、乾燥させることでよくなります。
へその緒の一部が残っており(臍肉芽種)、黄色い液や白濁した膿汁が続き悪臭がする場合は治療が必要になります。
飛び出ている肉芽を硝酸銀により焼いてつぶす(焼灼療法)、糸でくくって脱落させる(結紮療法)などの処置を行います。 -
Question.
お風呂上がりに湯ざましか、薄いお茶をあげなければいけませんか?
Answer.
沐浴後に湯冷ましや薄いお茶をあげる必要はありません。
赤ちゃんにとっての水分補給は母乳やミルクで十分です。湯冷ましや薄いお茶はエネルギーも栄養もなく、おいしくもありません。
そのような赤ちゃんにとって何の利点もない飲料を与えてしまうと、その分だけ満腹になって母乳やミルクなどの貴重な栄養を得る機会を1回失ってしまいます。
大人に例えると、水をがぶ飲みして腹を満たし1食を抜くようなダイエットをしているようなものです。赤ちゃんにダイエットを強いるなんて不健康な行為だと思いませんか?
お風呂上がりのお茶などによる水分補給は、卒乳が完了して自分の口から固形食を食べて栄養をとり、コップで飲料を飲むようになる1歳以降のお子さんに行うのは問題ありません。
赤ちゃんにとって、お風呂上がりの湯冷ましやお茶は「百害あって一利なし」と言えるでしょう。 -
Question.
げっぷがうまく出ませんが?
Answer.
生後1ヵ月の赤ちゃんは授乳するのも練習中でまだ下手なので、母乳やミルクだけでなく空気も一緒に飲み込んでしまいます。
同様にげっぷを出すのもまだ下手なので、5~10分でげっぷを出すことはなかなか難しいです。これが生後3~4ヵ月になれば5分前後でげっぷを出せるように上手になっているでしょう。
では、なぜげっぷ(=飲み込んだ空気)を出さなくてはならないのでしょうか?飲み込んだ空気は当然ながら栄養もないですし、胃にたまりすぎるとお腹が張って吐きやすくなったり、哺乳量が減ったりします。
また膨らんだ胃が肺を圧迫してやや呼吸もしづらくなるかもしれません。胃の中の空気はおならとして肛門からも排泄されますが、長い腸を移動するには12時間以上はかかります。
胃からの距離が短い口から出した方が早く楽になります。
げっぷを出す正しい姿勢は、空気の出やすい縦抱き対面抱っこでお母さんと体を密着させ、赤ちゃんのあごはお母さんの方に乗せた状態で背中をトントン叩くか擦るようにします。
げっぷは最低1回でもでれば縦抱き抱っこをやめてよいですが、出なければ最大20~30分は粘りましょう。
それでも出ないときは縦抱き抱っこをやめて赤ちゃんを横に寝かせてよいですが、背中にまくらかクッションなどを入れてやや上半身を起こした姿勢にしておくと、寝ながらげっぷを出すこともあります。 -
Question.
しゃっくりはどうして出るのですか?どうすればよいですか?
Answer.
しゃっくり(吃逆)は本人の意思とは無関係に反射的に起こる横隔膜のけいれん現象です。
原因はわからないことが多いですが、赤ちゃんの場合は母乳やミルクを一気に飲んでおなかがいっぱいにふくれた時や、オムツが濡れたまま過ごして体温が下がった時に出やすいと言われています。
しゃっくり自体は体に害はなく、呼吸が止まることもありません。
自然に止まるため何もする必要はなく様子をみるだけでよいでしょう。 -
Question.
まぶたやうなじに赤いあざがありますが消えますか?
Answer.
おでこや眉間の真ん中、まぶたにある赤いあざはサモンパッチ(正中部母斑)、うなじにある赤いあざはウンナ母斑と言います。
新生児の10~30%にみられるほぼ生理的なもの体に害はありません。
サモンパッチは通常1歳半頃までに自然に消えますが、1歳半を越えてもくっきり赤みが残っていて気になる場合には、レーザー治療で薄くすることができます。
ウンナ母斑は半分の人は5歳頃までに自然に消えます。半分の人は成人まで残りますが、ほとんどは頭髪に隠れてみえなくなり気にもならなくなるため、治療の対象にはなりません。 -
Question.
よく吐きますが?
Answer.
赤ちゃんは大人と違って、胃と食道のつなぎ目になる逆流防止の輪状の筋肉が発達していないため、容易に嘔吐します。
これは胃食道逆流現象という赤ちゃん特有の生理現象です。
激しく泣いてお腹に力が入る、お腹いっぱいに母乳やミルクまたは空気を飲んでお腹が張っている、げっぷが十分に出ていないなどの場合には吐きやすくなります。
赤ちゃんの機嫌が良く、授乳後の嘔吐物が白色(母乳やミルク)で、おしっこやうんちもよく出ていて、体重もよく増えていれば問題ありません。
離乳食開始後から固形食を食べるようになる1歳までには自然に吐かなくなります。
緑色、赤色、コーヒー色の嘔吐物であったり、授乳中・授乳直後に噴水状または多量の嘔吐を授乳毎に認め、体重の増えが悪く元気がなくなってきた場合は検査が必要ですので医療機関を受診して下さい。 -
Question.
遠方の実家に帰りたいのですが、いつ頃、また車と電車どちらがよいですか? 飛行機はいつから乗れますか?
Answer.
赤ちゃん連れの移動は、やむを得ない事情がない限り、お母さんの体調が安定し、赤ちゃんの世話に慣れてからが望ましいです。
安全に長距離を移動する時期の目安は、チャイルドシートに座らせた時の安定性を考えると、赤ちゃんの首が座った頃(生後4ヵ月)、座位が安定してとれるようになった頃(生後8か月)などです。
運転に専念できる人がいれば車の方が荷物を運びやすく、タイミングよく休憩がとれるメリットがあります。
また予期しない出来事が発生した時に対応しやすいのは電車よりも自動車の移動です。
飛行機は生後8日以降では登場可能とされていますが、赤ちゃんは気圧変化による耳閉塞感に自分で対応できません。
お母さんの耳がツーンと聞こえが低下したときは、赤ちゃんも同様の状態ですので、おしゃぶりや授乳をさせて耳抜きをさせて下さい。 -
Question.
下痢のときには水を飲ませるのがよいですか?
Answer.
下痢の時には、便中に水分とともにナトリウムなどの塩類が失われるため、水だけを飲ませるのはよくありません。
最も吸収効率がよいのは経口補水液であり、市販のものではOS-1があり、赤ちゃん用にはアクアライトORSがあります。
OS-1が苦手な場合は、ペットボトル1本分の水(500mL)に砂糖10g(大さじ1杯)と食塩1~2g(2つまみ)を溶かすことで手軽に経口補水液が作れます。
レモン果汁を少量加えると飲みやすくなります。
1日かけて体重1kg当り50~100mLの経口補水液または母乳・ミルクを飲ませて下さい。
-
Question.
外出のときなどに日焼け止めを塗ってもかまいませんか?
Answer.
皮膚の敏感な赤ちゃんは日焼け止めによる皮膚炎やアレルギーが懸念されますので、日焼け止めの使用は極力避けたいものです。
夏場は日焼け止めを使うよりも、紫外線の強い時間帯(10~15時)の外出を避ける、手足が隠れる服やつばの広い帽子、日傘やベビーカーのホロなどで日よけするなど、赤ちゃんに直射日光が当たらないような工夫をしましょう。
-
Question.
寄り目のような気がしますが大丈夫でしょうか?
Answer.
生後2ヵ月までは両眼を一緒に動かすことができないので、左右の目の位置がバラバラでも異常ではありません。
乳幼児の顔の骨格はまだ発達の途中で鼻が低く目と目の間が広く平坦であることから、一見寄り目に見えることが多く、これを偽性(ニセモノの)内斜視と言います。
成長に伴って大人の顔に近づくと自然に寄り目に見えなくなるので心配ありません。スマートフォンのライトをつけて、お子さんの顔に光を当ててみて両眼ともに黒目(角膜)の中央に光の反射があれば眼位は正常です。 -
Question.
泣かないのに涙が出ています。目やにも多いのですが?
Answer.
涙はまぶたの内側にある目と鼻をつなぐ管(鼻涙管)を通って排泄されます。
この鼻涙管が生まれつき狭くなっている赤ちゃんが時々います。
鼻涙管が狭いと涙が十分に流れずに手前の目にたまってしまい泣いていないのに涙が出たり、たまった涙が乾燥すると粘調な目やにになったりします。
但し、鼻涙管は成長に伴って生後2-3ヵ月には自然に広がって、涙の通りが良くなることが多いので何もせず様子をみてよいでしょう。
たまに涙が停滞するために鼻涙管に細菌感染を起こすこともあり眼科などで点眼液を処方されることもありますが、鼻涙管が狭いという物理的な問題なので、点眼液をがんばって点眼したところで根本的な解決にならず、点眼はしているけど症状がかわらないという場合もよくあります。
涙がたまる涙嚢という部分が目頭(目の内側、鼻の付け根)にあり、この部分を綿棒で1セット当り10回、1日4セットほど上から垂直に押す涙嚢マッサージで鼻涙管の通りが良くなることがあります。 -
Question.
激しく泣き続けて息を止め,体を硬くしてしまいましたが?
Answer.
この症状は「泣き入りひきつけ」または「憤怒けいれん」ともいわれ、乳幼児にみられます。
厳密にはてんかんやけいれんではありません。
激しく泣きすぎた後や軽く頭を打ったりしてびっくりした時に起こることがあります。
一時的に顔色が悪くなりますが、背中を叩いて刺激したりすると速やかに元に戻ることが多いです。
体にほぼ害はなく、後遺症もありません。数年で落ち着くことが多いので、基本的に見守るのみでよいです。
泣かせないようにと過保護にする必要もありません。鉄不足、貧血が関連している場合があり、鉄材を内服すると症状が弱くなったり短くなったりすることもあります。
-
Question.
最近泣くとおへそが出てきます。治りますか?
Answer.
泣くことでおなかの圧が高くなり、おへそがとび出る状態を臍ヘルニア(出べそ)といいます。
赤ちゃんはおなかを縦に2本走っている腹直筋がまだ発達しておらず、腹直筋の間から腸がおへそへ出てくることでおへそが膨らみます。
生後3~4ヵ月をピークに自然に縮小していき、一人で立って歩けるようになる腹直筋が発達してくる1歳までには約80%が自然治癒します。
おへそがとび出ないように押さえる綿球圧迫法という治療法があり、無治療よりも治療後のおへその形が良くなるというメリットがあります。
一方、テープで綿球を固定するのでテープかぶれを起こすデメリットもあります。
小児科よりも小児外科の先生が熱心にこの治療をやっている印象ですが、医療機関によってもやっていない所も多々あり、どうしても治療されたい場合方探してみるもよいでしょう。 -
Question.
歯茎に白い粒が見えるのですが?
Answer.
歯茎にみられる白い粒は、上皮真珠とよばれる袋状の小腫瘤です。
新生児の4割にみられると言われています。赤ちゃんが生まれる以前に、乳歯は形成が始まります。
歯堤とよばれる皮膚と同じ組織から歯の原料となる歯胚がつくられ、通常は歯の形成とともに吸収されてなくなります。
この組織の一部が吸収されずに歯茎の中に残ることがあり、白く固まったものが上皮真珠です。乳歯が生え始める前に、数週間~数ヵ月で皮膚が垢となって剥がれ落ちるように、自然にとれてなくなるため特に治療は必要ありません。 -
Question.
耳垢はとってあげたほうがよいですか?
Answer.
耳垢は基本的にはとる必要はありません。
耳垢は外耳道を清潔に保って保護し、滑らかにしています。耳垢で耳の穴がふさがって耳が聞こえなくなることはありえません。
耳垢は自然にはがれて排泄されます。綿棒や耳かきで耳の掃除をしようとすると、逆に耳垢を奥へ押し込んでしまったり、外耳道や鼓膜を傷つけてしまったりするリスクがあるため使ってはいけません。
どうしても耳垢をとりたくて仕方がない場合は、耳鼻咽喉科で処置してもらいましょう。
沐浴時にぬるま湯を赤ちゃんの耳から注ぐことでも、耳垢がふやけて一緒に流れ出てくることもありますし、外耳道の洗浄にもなります。
耳は鼓膜で中耳と外耳に仕切られていますので、耳にぬるま湯を注いでも中耳へ入ることはなく中耳炎にはなりません。
-
Question.
手足がときどき震えます。痙攣ですか?
Answer.
新生児期にけいれんを起こすことは、お産が正常であった場合はほとんどありません。手足が震えたりすることは時々ありますが、そのほとんどはけいれんではありません。
子どものけいれんは熱性けいれんがほとんどで生後6ヵ月~5歳までに起こります。
では、「震え(振戦)」と「けいれん」とはどう見分ければよいのでしょうか。
「けいれん」は、全身性が多く、手足に力が入り〝ビクンッ、ビクンッ!〟とリズミカルで動きの大きな手足の曲げ伸ばし運動が2~5分以上続きます(5~10秒といった一瞬だけのけいれんはありません)。この動きは大人の力で押さえても止められないことが特徴です。また意識がなくなるため呼びかけても振り向く、視線が合うなどの反応は見られず、視線は左右とちらかによって一点を見つめ、顔色や唇の色は青白くなり、泡を吹くこともあります。意識がないため立っている時に起こると転倒します。呼吸を止めることもありけいれん中は声を出すことはできません。
一方、寒気や身震いなどによる「震え」は、唇だけ両手だけなどの体の一部が多く、〝ブルブルブル…〟と小刻みで素早い小さな動きが5秒~30秒以下の一瞬で治まります。この一瞬の動きを何度も不規則にくり返すこともあります。この動きは大人が押さえると容易に止まります。顔色はピンク色のまま変わらず、意識がなくなることはないため呼びかけると振りむいたり返事をしたりできます。
以上の内容を簡単にまとめると、「数秒で治まる小刻みな動きで、手で簡単に押さえることができ、呼びかけると目が動き声を出せる」場合はけいれんではありません。
-
Question.
手足が冷たくて、ときどき青くなっていることがありますが?
Answer.
赤ちゃんの手足は環境温度の影響を受けやすく、衣類の外で外気にさらされている部分は温度が低下します。
その結果、手先・足先の血液の循環が低下し、見た目の色が青紫色になりやすく、これは冬場のみでなく夏場でもみられます。
また風邪をひいて熱が出た時には、熱の上がり始めは手や足先の血管が収縮して血流が低下するために青白く冷たくなりますが、熱に対する体の生理的な反応ですので様子をみてよいでしょう。
もし、唇の色も青紫色(口唇チアノーゼ)になっており、ぐったりしているとかおっぱいの飲みが悪いなどの症状を伴うようであれば、医療機関へ受診しましょう。 -
Question.
真っ赤になっていきむのですが、どこか痛いのですか?
Answer.
われわれ小児科医にも原因はわかりませんが、生後1ヵ月の赤ちゃんによくみられる行動です。
体重増加が多い(+50~70g/日)お子さんによくみられるとも言われています。
必ずしも便秘が原因というわけではありません。体重が良く増え、吸いつきが良く、しっかりと哺乳できていれば心配いりません。緑色の嘔吐物が続く、足の付け根(鼠径部)が腫れる、男の子で陰嚢が赤く大きく腫れるようなことがあれば、小児外科を受診しましょう。 -
Question.
生まれたときからのどがゴロゴロ、ゼロゼロして心配です
Answer.
赤ちゃんはもともと空気の通り道(気道)が細いため、正常な赤ちゃんでもゴロゴロ、ゼロゼロといった音が聞かれることはあります。
特に授乳後には母乳やミルクなどの液体に加えて、唾液や鼻水など分泌物がノドにたまりやすいため音が鳴ります。
また仰向けで寝ていてもノドに分泌物がたまりやすいため、ゴロゴロと音がします。そして起き抜けにたまった分泌物を出そうとして一瞬だけ咳き込むこともよく見られます。
このような決まった行為の後に一時的に音がするのは生理現象であって病気ではありません。
注意するべきことは、哺乳時に顔色が悪くなりむせ込んで哺乳できなくなる、体重の増えが悪い、寝ている時に呼吸が時々止まる、終日ゼロゼロと音が鳴り続ける場合です。
このような場合精密検査が必要になります。 -
Question.
生後1カ月で黄疸が続いていますが?
Answer.
母乳栄養を行っている赤ちゃんは生後1~2ヵ月までは黄疸が続くことがあり、母乳性黄疸といわれます。
母乳性黄疸だからといって母乳をやめる必要はありません。
健康な赤ちゃんの黄疸の値(ビリルビン)は、生まれてから上昇し始めて生後4~6日目にピークをむかえた後、自然に低下していきます。
以降、再度上昇することはほぼありません。したがって、治療が必要な赤ちゃんの黄疸は、出生後の入院中に既にチェックされ治療がなされています。
黄疸の数値は見た目の皮膚の黄色さではわからないですが、黄疸の心配をするべき時期は産院を退院した時点で既に過ぎているのです。
但し、白色~クリーム色の便が続く、お腹がどんどん張って大きくなってくる場合は胆道閉鎖症の可能性があるため、遅くても生後2ヵ月までには病院で精密検査を受けましょう。 -
Question.
盛り上がった赤いあざがあるのですが、このままでよいですか?
Answer.
この赤あざは乳児血管腫(またはイチゴ状血管腫)と呼ばれます。
中身は毛細血管を作っている内皮細胞の塊ですので、体に害はありません。最終的にはゆっくりと自然に消えていき、約3~7歳までにはなくなります。
まぶた、鼻、耳、口周囲などにあり視力・呼吸・摂食・聴力などに機能障害をきたす可能性がある、直径3cm以上と非常に大きく美容的に問題があるなどの場合には、生後5か月以内に内服薬治療、レーザー治療、手術を行う必要がありますので小児科または形成外科を受診しましょう。 -
Question.
舌の裏の膜(舌小帯)を切ったほうがよいといわれました。大丈夫でしょうか?
Answer.
舌小帯は舌を口の底に固定するひも状の膜要物であり、あること自体に問題はありません。
赤ちゃんが十分におっぱいを飲めて体重の増えもよく、お母さんの乳首に痛みがないのであれば今すぐ切る必要はありません。
将来、滑舌が悪くなると言われることもありますが、赤ちゃんのうちに切っておけば滑舌がよくなるとは限りませんし、そのエビデンスもありません。
舌小帯を切らないといけない状況とは、赤ちゃんの哺乳に支障をきたしてうまく飲めない、食事をうまく呑み込めない、どれだけトレーニングしてもはっきり発音できず会話に支障をきたす場合のみです。 -
Question.
昼夜取り違えたように夜中によく泣いて寝ませんが?
Answer.
生後1ヵ月の赤ちゃんは、昼間に起きて夜に眠るという1日の生体リズム(概日リズム、体内時計)がまだ確立していないので、昼夜が逆転し夜に泣き続けるお子さんがいます。
生後3~4ヵ月頃には生体リズムができてくると言われているので、それまではお母さんの頑張りどころです。
お母さんが辛いようであれば、時折、お父さんに協力してもらいミルク授乳も併用しましょう。夜になったら照明を消して、テレビや話し声のしない静かな部屋で赤ちゃんを寝かせ、眠りやすい環境づくりをしましょう。 -
Question.
頭髪が抜けて薄くなってしまいましたが、また生えてきますか?
Answer.
赤ちゃんの頭髪は、生まれて間もなく生え変わることがあり、急に頭髪が抜けて薄くなることがあります。頭のてっぺんや後ろの部分が薄くなることがしばしばありますが、数ヵ月から1年以内には自然に頭髪が生えてきますので、特に治療の必要はありません。
-
Question.
同じ方向ばかり向いて寝ているため頭が変形してしまいましたが?
Answer.
赤ちゃんは分娩時に狭い産道を通るため、赤ちゃんの頭蓋骨はいくつかのパーツに分かれています。
そのため、分娩時の圧迫や出生後の向き癖によって、赤ちゃんの頭は容易に変形します。
いつも同じ向きで寝ていると変形が進むため、向きやすい側にまくらやクッションを入れて頭の向きが逆になるようにしてみるのも良いかもしれません。
また赤ちゃんは明るい方向や音のする方向に顔を向けやすいため、向き癖の反対側に窓や照明などが来るように寝かせたり、音の出るおもちゃをつり下げたりするなども良いでしょう。
但し、人間はロボットではなく生き物であるため、体の形が完全に左右対称の人は少ないかも知れません。
しかし、お母さんにも頭の形に多少の左右差があるはずですが、何も困っていないですよね。
頭蓋骨の形の左右差は脳や精神発達などに影響を及ぼしません。単なる見た目だけの問題なので、お母さんのように髪の毛が十分に生えてくるとほとんどわからなくなります。 -
Question.
背中に青いあざがあるのですが?
Answer.
背中の青いあざは、日本人にはよくみられる蒙古斑とよばれるものです。
これは腕や足にもできることがあり異所性蒙古斑と言います。通常は成長するに従って薄くなっていき、小学校低学年の頃にはほとんどわからなくなります。
整容的な問題だけなので、体に害はありませんので、様子をみてよいでしょう。
どうしても消えにくい場合はレーザー治療がありますが、本当に必要かどうかじっくり考えましょう。 -
Question.
白目に出血があるみたいなのですが消えますか?視力に影響はないのでしょうか?
Answer.
白目に出血があるみたいなのですが消えますか?視力に影響はないのでしょうか?
これは目を保護している表面の粘膜である眼球結膜(いわゆる「しろめ」)にある血管が切れることによる出血です。
分娩のときに赤ちゃんがいきんだり、狭い産道を通る際に目に圧力が加わったりすることで細い血管がはじけたことが原因という説もありますが、はっきりしたことはわかりません。
たんこぶや青たんと一緒で、1~3週間以内に徐々に自然に吸収されてなくなるため、特に治療はありません。 -
Question.
鼻づまりで苦しそうにみえるのですが、どうすればよいですか?
Answer.
生後1ヵ月の赤ちゃんは、解剖学的に鼻腔が狭く、副鼻腔も未発達です。
また大人と違って頭の大きさに対して扁桃や舌が大きく、空気の通り道(気道)も狭いため病気でなくても普段より〝フガフガ〟と鼻が詰まっているような音がすることは日常よく見られます。
これは病気ではないため、他に症状もなく母乳やミルクが良く飲めてあり、おしっこも出て元気であれば、特に何もする必要はありません。
鼻水や鼻くそが詰まっているわけでもないので鼻水吸い器で鼻腔を吸引しても何も引けないことが多いです。
他に発熱、せき、鼻水、哺乳力低下などの症状を伴っていれば、風邪をひいている可能性もあるためかかりつけ医に診てもらいましょう。 -
Question.
部屋の温度は何℃くらいに調節するのですか? クーラーや暖房は使ってもよいですか?
Answer.
大人が暑い、寒いと感じれば赤ちゃんも同じように感じています。
快適に感じる室温には個人差がありますが、夏には室温27℃前後、冬には20℃前後が一般的に過ごしやすいと考えられます。
冷暖房エアコン、扇風機、加湿器などの空調機器を使用することは問題ありませんが、赤ちゃんに直接、冷暖房の風が当たらないようにしましょう。
お父さんは暑がりの人が多いため、お母さんの体感温度に合わせるのが良いでしょう。
日本の夏は猛暑、冬は地域により極寒であるため、空調機器を上手く利用して熱中症や低体温にならないよう適切な室温と湿度を保ちましょう。時々、赤ちゃんの手足に触れて、暑すぎ・冷えすぎに注意し、衣類や掛け物で調節するのも良いでしょう。
たとえ短時間であっても、くれぐれも夏場にわが子を車の中に置き去りにして出かけることのないようにして下さい。 -
Question.
便が緑色ですが? 便がうすいレモン色ですが?
Answer.
生後1ヵ月時の便の色は、栄養方法ごとに特徴があり、母乳栄養児では黄色主体で、人工乳栄養児は緑色になることが多いです。
緑色になるのは、授乳した時に胆嚢からでる胆汁という消化液が、腸内で酸化されることで色素が黄色(ビリルビン)→緑色(ビリベルジン)に変化するためで、病的意義はなく赤ちゃんではよくみられる正常な便の色です。
母子手帳に掲載されている便色カードの1~3番のような白色~クリーム色・うすいレモン色の便が続く場合は検査が必要になるため、医療機関を受診しましょう。 -
Question.
母乳が不足気味なのに哺乳瓶を全く受けつけません。どうすればよいでしょうか?
Answer.
母乳が足りているかどうかを確認するためには、赤ちゃんの授乳時の様子や皮膚の張り、おしっこの回数、体重増加などが参考になります。
赤ちゃんが1日に8回以上母乳を飲んでいる、皮膚に張りがありつやつやしている、おしっこが1日に6~8回以上でている、体重が1日に25gの割合で増えているのであれば十分に母乳が足りている可能性が高いと思われます。
1日12回以上と頻回に授乳し、おっぱいを吸いながら眠り込んでしまう、授乳後も1~2時間で泣いて起きていることが多いようなら母乳が足りていない、または赤ちゃんが上手く母乳が飲めていない可能性があります。
お母さんの乳首から直接授乳することを優先に継続してよいですが、授乳後1~2時間と短時間で泣いて起きてきたときのみ、赤ちゃんの飲みやすい乳首をいろいろ試して選び、哺乳瓶で搾乳した母乳または人工乳を足して十分に飲ませましょう。
哺乳瓶を嫌がるようであれば、スプーンやスポイトなどで地道に1回授乳量を与えるのも一手です。 -
Question.
母乳をいつまでも飲ませていると困ることがありますか?
Answer.
赤ちゃんは、生後6ヵ月間は母乳のみで育て、6ヵ月頃から離乳食で栄養を補充し、2歳以上になっても母乳育児を続けてもよいと勧められています。
母乳は赤ちゃんにとって、成長に必要な栄養や免疫を与えられるだけでなく、さまざまな病気を予防する効果があります。
但し、母乳の栄養的な価値は1歳を過ぎるとほぼなくなるため、離乳食などの食事でエネルギーや栄養を補完しなければ、栄養不良となり体重増加も悪くなります。
自分で食べ物を口に運び、いろいろな味や食感などの食体験をする、食卓を囲み家族とコミュニケーションをとるという「食育」という観点からも、食事は人間形成や発達に大事なので母乳に固執するあまり1歳以降も母乳のみで育てようとするのは無理があります。
また母乳を長く飲んでいると虫歯になりやすいといわれることもあり、歯磨きや食習慣を整えて、虫歯予防を心掛けながら母乳育児を続けましょう。 -
Question.
母乳栄養ですが便が非常にゆるく下痢のようで心配です。たまに血液みたいなものも出ますが?
Answer.
母乳で育てている赤ちゃんの便は、特に月齢が小さい場合はゆるく回数も多いことが一般的です。
元気に哺乳できていて体重の増えも良ければ、そのまま様子をみてよいでしょう。
赤ちゃんの大腸粘膜にはリンパ濾胞という免疫組織が発達しており、大人と違って表面が凸凹しています。
便が通った時につき出した粘膜から刺激により少量出血することで便に点状や線状の血液が混じることがあり、リンパ濾胞過形成と呼ばれます。
母乳栄養児に多くみられるため「母乳性血便」や「乳児良性血便」ともいわれます。成長に伴い腸の表面が平らになるにつれ自然に治るものが多いので元気であれば様子をみてよいでしょう。
元気がない、体重の増えが悪い、血液の量が増えてくるような場合は検査が必要ですので医療機関を受診しましょう。 -
Question.
抱っこすると身体を反ってしまいますが?
Answer.
抱っこをした時に身体を反り返ったり、抱っこを嫌がったりすることは赤ちゃんの意思表示であり、成長に伴って良くあることです。
興味のある物の方向へ体を向けようとしたり、自分で動きたいのに抱っこで動きを制限されたりしてしまったときなど、体を反って抗おうとします。
こういう時は、まずは抱っこの仕方を変えてみましょう。いつも横抱きにしていたら縦抱きにしてみたり、前向き抱っこにしてみたり、見える景色を変えてあげてみたりしてください。
また、あぐらをかいてその上に前向きに座らせて背中を丸めたり、丸めた布団の上にうつぶせで乗せて背中を丸める方法もあります。
お母さんが心配でネットで検索すると、よく出てくるのが「脳性まひ」です。
頭が後ろに倒れ、背中が弓のように反ってしまう姿勢は後弓反張と呼ばれ、脳の器質的・機能的障害の一つの徴候と考えられています。
分娩障害により脳が損傷を受けて脳性まひを起こしていると、自分の意思とは別に体が反り返ってしまいます。
しかし、脳性まひの場合のサインは、反り返りだけではありません。授乳のときにむせやすい、なかなか首が座らない、手足の関節の動きが悪く硬いなど、ほかの症状がみられるものです。