一般小児科 一般小児科

子どもの健康に関する
全般的な診療を行います。
子どもにみられる症状でお困りの際は
受診、ご相談ください。

           一般小児科で診る主な症状

  • 1.かぜの症状

    発熱、せき、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、頭痛、体のだるさ、声がかれる、胸がぜえぜえいう、息が苦しい、耳が痛い

    かぜの症状
  • 2.おなかの症状

    腹痛、吐く、下痢、便秘、便に血が混じる、おなかが張っている、食欲がない、すっぱいものが口に戻ってくる

    おなかの症状
  • 3.おしっこの症状

    尿が少ない、出ない、おしっこの量や回数が多い、尿が赤い・麦茶色、尿が泡立つ、おしっこをすると痛い、おねしょ、無意識に尿がもれる、腰がいたい、まぶたや足がむくむ

    おしっこの症状
  • 4.胸や心臓の症状

    胸がいたい、胸が重い、ドキドキする、運動すると息が苦しくなる、心雑音がある

    胸や心臓の症状
  • 5.頭や神経の症状

    けいれん、頭痛、意識がなくなる、立ちくらみ、立てない、まっすぐに歩けない、吐く、会話がかみ合わない、おかしなことをしゃべる、手足に力が入らない

    頭や神経の症状
  • 6.体形の症状

    背が低い、太っている、やせている、体重が減ってきた

    体形の症状
  • 7.発達の症状

    [言語・社会性]言葉が出ない、コミュニケーションが取れない、こだわりがある、学級になじめず孤立している
    [運動発達]座位が保てない、つかまり立ちができない、独り立ちができない、歩けない

  • 8.皮膚の症状

    湿疹、肌のかさつき、発疹、かゆみが強い、黄色い汁でジュクジュク、青たんができやすい、足に圧迫で消えない出血斑が出てきた

    皮膚の症状
  • 9.自律神経の症状

    朝が起きれない、寝つきが悪い、午前中の調子が悪い、頭痛、立ちくらみ、腹痛、食欲がない、不登校

    自律神経の症状
  • 10.その他

    なんとなく元気がない、顔色が青白い、疲れやすい、泣き方がいつもと違う、異物を飲み込んだなど、子どもの診療の専門家は小児科医です。
    どこの科に受診したらよいのかわからなければ、とりあえず小児科に受診するのがよいでしょう。
    必要があれば、適宜他の診療科へ紹介いたします。

    より高度な検査・治療や入院加療が必要なお子さんは、適宜、大学病院や総合病院、子ども専門医療施設などの高次医療機関へご紹介・転院させていただきます。

おもな紹介先施設

●大阪医科薬科大学附属病院
●高槻赤十字病院
●高槻病院
●済生会吹田病院
●市立吹田市民病院
●済生会茨木病院
●北摂総合病院

発熱
             発熱

子どもの体温は大人と比べてやや高いため、腋窩温(わきで計った体温)で37.5℃〜37.9℃ を微熱、 38.0℃以上を明らかな発熱と考えます。

発熱になるとしんどいですが、バイキン(病原微生物)との戦いで生じる体の反応であり、バイキンを攻撃する武器(抗体)を作り出すのに必要な生理的反応です。

子どもの発熱の原因は多岐にわたりますが、頻度的に最も多いのは感染症で、特にウイルスによるものが多いです。

たいていの感染症は3〜4日以内に解熱することが多いですが、3日以上の発熱が続く場合は重篤な細菌感染症や川崎病などの可能性がありますので医療機関を受診しましょう。

ただし、生後3ヵ月以下の赤ちゃんが発熱した場合、自分で十分な抵抗力を作り出せない時期のお子さんですので、病状が急速に悪化・重篤化することがあります。
生後3ヵ月以下の赤ちゃんの発熱はお家で2〜3日様子を見てから受診を判断するのではなく、発熱があったその日のうちにかかりつけ医を受診させましょう。

お子さんの発熱が高いと親御さんは大変心配されると思いますが、体温の高さは病気の重症度と関連しません。大事なことは発熱が続く期間が長いか短いかです。例えば40℃の高熱が出ても1〜2日で解熱すれば大きな問題にはなりません。

一方、38.0℃の発熱が1週間以上続く場合は、ただ事ではないです。
また42℃の高熱が出たとしても、「脳が溶ける」とか「頭がパーになる(障害が残る)」といった迷信は医学的にはありえませんのでご安心ください。

子どもの発熱の特徴は、午前中や日中は37℃台に落ち着いていても、午後から夜間にかけて発熱が出やすいことです。
したがって、日中は平熱~微熱であっても、毎日夕方~夜間に高熱が出る場合は「熱が上がったり下がったりしている」のではなく「毎日、熱が続いている」と判断します。
発熱 逆にお子さんが「解熱した」と判断するのは、朝・昼・夕・晩の 24時間以上いつ検温しても平熱(理想は36℃台)であることを確認できた状態です。
よくある話ですが、夜に39℃の発熱を認めたけれど、朝には37℃台に下がっていたので「解熱した」と勘違いして喜び勇んで幼稚園に登園させたものの、昼から発熱を認めて呼び出されるといったエピソード。
朝だけの体温の低下は午後から再発熱する危険性があるということです。

発熱時は入浴を控え、入ってもシャワーを浴びる程度にしましょう。
発熱や発汗による水分・塩分の消耗もあるので、本人が欲しがらなくても適宜水分・塩分を補給させましょう。

             かぜ

             かぜ

「かぜ」とは、一般的にウイルス感染症のことを指します。かぜは大きく2つに分けられます。

「ノドのかぜ」は急性上気道炎などの呼吸器感染症のことで、発熱、頭痛、せき、鼻水、ノド痛、体がだるいなどの症状をきたします。
一方、「おなかのかぜ」は感染性胃腸炎などの消化管感染症のことで、発熱、嘔吐、下痢、腹痛、食欲不振、脱水症などの症状をきたします。

現代の医学にはウイルスをやっつける薬は存在せず抗菌薬も無効ですが、たいていのウイルス感染症は 3〜4日以内には解熱し、症状が自然に軽減することが多いです。したがって、治療としては症状に対する治療(対症療法)のみでウイルスが体からいなくなって元気になるのを待つのが基本です。

ただし、インフルエンザウイルスや RSウイルス、ノロウイルス、ロタウイルスなどの感染症の場合、症状が強かったり、呼吸が苦しくなったり、飲んだり食べたりできなくなってぐったりしてくることがあります。場合によっては入院治療が必要になることがありますので、その際は早めに医療機関を受診させるようにしましょう。

予防接種をしておくと、ウイルスによってはかかりにくくなったり、症状が軽くすんだり、重症化を防ぐことができるため、できる限りのワクチンはお子さんが小さいうちに受けさせることをおすすめします。              風邪

  • Question.

    2-3歳の子どもが気に入らないことがあると物を投げたり、叩いたり、頭を物にぶつけたりします。大丈夫でしょうか?

    Answer.

    2-3歳の子どもはまだ十分に言葉で自分の意思を伝えることができません。したがって、自分の思いが伝わらないので、怒ったりストレスがたまったりします。
    言葉がうまく話せないので物を投げたり、叩いたりなどして自己主張をしているわけです。これが「魔の2-3歳」と言われる由縁ですが、これは正常な精神発達なのでご心配には及びません。
    4-5歳になっておしゃべりが上手になって、自分の思いを言葉で伝えられるようになればこのような癇癪は自然と落ち着きます。くれぐれも頭ごなしに怒鳴りつけてやめさせたり、叱ったりしないで下さいね。将来、自己主張のできない子になってしまうかもしれませんよ。のんびり温かい目で見守ってあげて下さい。

  • Question.

    かぜに抗菌薬は効きますか?

    Answer.

    「かぜ」というのは、一般的にはウイルスが原因の呼吸器感染症のことを指します。病気を起こす微生物には大きく分けると、ウイルスと細菌があり両者はまったく別の生きものです。ウイルスは単独では生存できず、他の生物の細胞に寄生して自身を増殖します。
    一方、細菌は栄養を摂取してエネルギーを生産し、他の生物の細胞がなくても自身で増殖することができます。抗菌薬は細菌の細胞を攻撃する薬なので細菌に対しては効果がありますが、ウイルスには効力がありません。インフルエンザなどの一部のウイルスにはその増殖を抑える薬はありますが、ウイルスそのものを攻撃する薬は現代の医学では存在しません。したがって、ウイルスへは私たちは手出しができず、ウイルス感染症へは日にち薬でひたすら症状が良くなるのを待つしかないのです。

  • Question.

    こどもがたばこを飲み込んだかも知れません。

    Answer.

    まずは本当に飲み込んだか、飲み込んだとしたらどれぐらいの量を飲み込んだかを残ったたばこの切れ端の量から把握し、受診時は切れ端を持参して下さい。たばこを1本分以上の誤飲は乳児では致死量です。たばこを浸した液体を誤飲した場合は、ニコチンが溶出されており、重症化しやすいので早急に受診して下さい。たばこ誤飲は一般的に無症状~軽症が多いです。主な症状はニコチン中毒によるもので悪心・嘔吐です。嘔吐は誤飲後10~60分にみられます。他に頭痛、下痢、よだれ、過呼吸、興奮、顔色不良、発汗を伴い、意識障害、けいれんを生じる場合がありますが、これらの症状は2~4時間以内に出現することが多いです。牛乳や水を飲ませるとニコチンの溶出が進む可能性があるため、水分は飲ませないで下さい。4時間の観察で症状がなければ問題ありません。症状がある場合は速やかに受診して下さい。

  • Question.

    こどもが高い所から落ちて頭を打ってしまいました。小児科を受診したらよいですか?

    Answer.

    落ちた地面が、畳・じゅうたん・芝生・砂地などの柔らかい地面であれば1歳以上のお子さんであれば1m以内の高さから落ちても大事にいたりません。落ちてひとしきり泣いた後、たんこぶはできていても普段通り過ごしているようであれば特に問題ありません。墜落・転落後、頻回の嘔吐、激しい頭痛、意識障害、けいれん等の症状がみられるようであれば、脳神経外科へ直接受診しましょう。小児科は内科的な病気をみることはできますが、外傷や骨折、怪我などの外科的な病気、すなわち手術や外科的処置を要するものは対応できません。頭の怪我は脳神経外科、骨折は整形外科、鼻血は耳鼻咽喉科、切り傷や火傷は形成外科を受診するのがオススメです。

  • Question.

    こどもが薬を嫌がって飲んでくれません。どうやって飲ませたらよいですか?

    Answer.

    子さんの年齢によって、お薬にも飲みやすい形があります。同じ名前や効果の薬でも、シロップ(甘い液体の薬。いわゆる“水ぐすり”)、粉薬(甘味がついていますが後味が苦いことが多い)、錠剤(ラムネのような粒状の薬。無味無臭)の3つの剤形があります。0歳~小学低学年まではシロップ、小学低学年~高学年までは粉ぐすり、中学生以上は錠剤が飲みやすいので、お薬を処方してもらう時にお好みの剤形をお伝え下さい。小さいお子さんの中にはシロップも粉薬も苦くて嫌いな人もいます。例えば、幼児のお子さんでも、もし錠剤を飲めそうなら苦くて量の多い粉薬よりも、量が少なくて味のない錠剤の方が意外に飲みやすかったりします。ノドに詰まっても溶けて安全なラムネなどで飲み込む練習をして、錠剤が飲めるか試してみるのも良いかもしれませんね。

    【粉薬の飲ませ方】
    ① 1回分の薬の入った袋の口を切る
    ② 袋の中にスプーンで極少量(スプーン1杯以下)の水を入れる。砂糖小さじ1杯追加してもよい
    ③ 手早くかき混ぜて、そのスプーンで子どもの口のやや奥に薬を入れる
    ④ 子どもが飲み込めたら、ほめながら、好きな飲み物を飲ませる

    【薬の味をごまかしやすいもの】
    薬は均一に混ぜるよりも、粉薬をはさむようにして、さじにのせて食べさせる。
    ・パンに塗るチョコクリーム
    ・コンデンスミルク(練乳)
    ・ジャム(粒のあるイチゴよりリンゴがよい)
    ・アイスクリーム、ゼリー
    ・らくらく服薬ゼリー「おくすり飲めたね」(株式会社 龍角散)

  • Question.

    子どもに対してついイライラして怒ってしまいます。

    Answer.

    1~3歳の子どもはよく泣いたり癇癪を起こしたりします。これはまだ言葉がうまく話せないため自分の意思を親や相手に伝えられないため、暴れたり叩いたり物を投げたりして何とか自分の思いを伝えようとしているのです。「魔の2-3歳児」と言われる由縁がそれです。5歳頃になるとおしゃべりも巧みになって、自分の言いたいことが言葉で伝えられるようになるため精神的に落ち着いてきます。それまで温かい目で見守ってあげて下さい。決して、乳幼児のお子さんが親のいうことを聞かないからといって怒ったりしないで下さいね。おどおどして常に他人の顔を伺ったり、自己主張できない精神的に不安定なお子さんになってしまいますよ。

  • Question.

    子どもに大人の解熱鎮痛薬を使ってもよいですか?

    Answer.

    子どもに使用する解熱剤の大人に使用する解熱剤は成分が全く異なります。子どもに使用する解熱剤はアセトアミノフェンで解熱鎮痛効果はマイルドですが副作用はほとんどありません。一方、大人に使用する解熱剤は非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)であり、アセトアミノフェンに比べて解熱鎮痛効果は強力である反面、飲み過ぎると消化性潰瘍や肝臓・腎臓を傷めたり、けいれんが起きやすくなったり副作用が多いです。したがって、子どもに大人の強力な薬を与えると、体温が下がり過ぎてしまったり副作用が出てしまったりすることがあります。但し、中学生(13歳)以上に場合は、ほぼ大人と同じ体格に成長しているため大人の薬を使用しても構いません。したがって、解熱剤に限らず小学生以下の子どもに大人の薬と使うことは避けるべきです。

  • Question.

    子どもの偏食が強く、決まった物しか食べません。このまま放っておくしかないですか?

    Answer.

    偏食は食物繊維不足による便秘、高カロリー食による肥満やメタボ、高脂質食による脂肪肝炎や動脈硬化、高塩分食による高血圧、甘い物ばかり食べることによる虫歯など将来的にさまざまな健康被害を引き起こす可能性があります。
    また社会人になってからも食べられないものが多いと会食の席で恥ずかしい思いをしたり、相手に不快な印象を与えたりすることもあります。

    3歳ぐらいまでの偏食は、年齢的なこともあり、まだ言葉がわからずバランスのよい栄養摂取について話しても理解できないので放置しても良いです。
    言葉が理解できるようなれば、言い聞かせて嫌いな物でも食べてみる、作った人の気持ちを考えて食事を残さないといった好き嫌いのない子に育てていくのが望ましいですし、それが食育というものです。

    偏食になる原因として、以下の7つの「こ食」があります。



    「孤食」…人と関わらず子ども1人で孤独にする食事。
    「子食」…大人が同席せず、子どもだけでする食事。
    「個食」…食物へこだわりが強く、決まった物しか食べない食事。
    「小食」…ダイエット目的等で意図的に少量しか食べない食事。
    「濃食」…外食やお惣菜などの味の濃い高塩分・高脂肪の食物を好んで食べる食事。
    「粉食」…パンやカップ麺などの粉、小麦粉を材料とするインスタント食品を主に食べる食事。

    これらの背景には、核家族化、女性の社会参加による共働き、家事労働の簡略化などの大人の事情と、塾や習い事、アルバイトなどの子どもの余裕のない生活により家族との食事時間が合わず、コンビニ等の簡便に食物が手に入る都市型生活スタイルが増えたことによる家族機能の低下があります。
    祖父母、両親、兄弟そろっての家族団らんの場が減った結果、子どもは食事の作法、行儀、コミュニケーションや対人能力が身につかず、感情や情緒のコントロールなど精神的な発達が阻害されます。
    偏食を治す理想の食事とは、家族全員で食卓を囲み、楽しく会話し、作法・偏食に対する注意も受けながら同じ食事をすることです。それが子どもの食欲を増進させ、自分が嫌いな物を家族が美味しそうに食べるのを見て、自分も食べてみようと思い、意外に食べられることに気づき、新たな味の発見・味覚体験につながります。
    一人でご飯を食べる子供

  • Question.

    この子はお兄(姉)ちゃんを育てた時と成長や発達が違います。異常でしょうか?

    Answer.

    2人以上のお子さんをお持ちの親御さんでは、しばしば兄弟を比較されることがあります。
    兄・姉と弟・妹は同一個体ではないため成長や発達、性格や趣味が異なるのは当然のことで、比較することは意味がありません。
    例外的に性別や顔、性格も似ている双子(一卵性双生児)の場合は、お互いにほぼ同一の遺伝子を持っているため、成長・発達に関しては同じような経過をたどることが多いです。

    「お兄ちゃんは成績優秀でスポーツもできるけど、何で〇〇ちゃんはお兄ちゃんみたいに上手にできないの!」などとあまり兄弟を比較しすぎると、下のお子さんが劣等感や不満を抱いたり、萎縮したりする場合があるのでほどほどにしておいた方がいいですよ。

  • Question.

    胃腸炎の時に嘔吐物や下痢の後の消毒はどうしたらよいですか?

    Answer.

    ノロウイルスにはアルコールは効きません。汚物の処理には薄めた次亜塩素酸ナトリウム(家庭用漂白剤など)を使用します。ノロウイルスによる嘔吐物は乾燥して粉塵になって舞い上がり空気感染する場合があります。
    ⑴ 嘔吐物や糞便を処理する時は、使い捨てゴム手袋・マスク・エプロンを着用します。
    ⑵ 濃度0.1%の次亜塩素酸ナトリウムを浸した新聞紙や不要な布で嘔吐物を静かに覆い、外側から内側に向けて拭き取りましょう。廃棄物がしっかり浸るくらいの消毒薬と一緒にビニール袋に入れて口をしっかり縛り、廃棄します。
    ⑶ 床などは雑巾に濃度0.02%の次亜塩素酸ナトリウムを含ませて拭き、5分ほど放置した後に水拭きします。
    ⑷ 処理後は使用したゴム手袋などもビニール袋に入れて廃棄し、最後に丁寧にハンドソープで手を洗いましょう。
    ⑸ 衣類やタオルなどの布製品は、嘔吐物や糞便をできるだけ取り除いてから0.02%の次亜塩素酸ナトリウムで消毒するか、全体を85℃以上の熱湯に1分以上つけて加熱消毒します。

    〔薬局で買える塩素系漂白剤の種類〕
    ・ハイター[花王]
    ・ブリーチ[ライオン]
    ・ピューラックス[オーヤラックス]
    漂白剤

    〔0.1%の次亜塩素酸ナトリウムのつくり方〕
    ペットボトル1本分(500mL)の水に、塩素系漂白剤10mL(ペットボトルのキャップ2杯分)を加えると0.1%の消毒液ができます。
    →嘔吐物や糞便の処理に使いましょう
    〔0.02%の次亜塩素酸ナトリウムのつくり方〕

    ペットボトル1本分(500mL)の水に、塩素系漂白剤2mL(ペットボトルのキャップ1/2杯分)を加えると0.02%の消毒液ができます。
    →床、ドアノブ、便座、テーブル、おもちゃなどの消毒に使いましょう。
    除菌

  • Question.

    胃腸炎(嘔吐・下痢)の時は食事や水分はどうすればよいですか

    Answer.

    腸炎は1~2週間以内に自然治癒しますので、この期間に脱水を防ぐことが重要です。嘔吐や下痢が出現した時点で、速やかに自宅で経口補水療法を開始して下さい。

    1.経口補水療法
    水分だけでなく糖分、塩分(電解質)を補給することが大切です。すなわち白湯やお茶だけ飲んでいてはダメということ。
    〔飲み物〕
    ・経口補水液OS-1
    ・水1Lに食塩3g(小さじ1/2杯)と砂糖
    8g(大さじ2杯)を加えたもの
    (※レモン果汁を少量加えると飲みやすい)
    ・スポーツドリンク (500ml/本)に食塩1~2g(1~2つまみ)加えたもの
    ・野菜スープや味噌汁
    ・赤ちゃん(1歳未満)には母乳またはミルク
    〔飲ませ方〕
    必要な量は1日かけて体重1kg当り50~100mL。1本500mLのペットボトルに換算すると、1歳:1~2本以上、3歳:1.5~2.5本以上、小学生:2~3本以上、中学生:3~4本。

    ・嘔気が強い時は、1回当りペットボトルのキャップの量(5mL)を5~10分おきに与える。それでも飲んだ直後に吐く場合は、30~60分ほど水分を与えず胃を休ませる。
    ・お子さんが吐いていても、嫌がって欲しがらなくても飲ませ続けることが大切。
    ・赤ちゃんへの母乳・ミルクは薄めずに与えて下さい(薄めても症状が軽くなるわけでなくメリットはありません)。

    2. 食事療法
    食べられそうなら年齢の応じた普段の固形の食事を続けても良いです(必ずしも絶食にする必要はない)。白米もお粥にする必要はありません。お粥は普通に炊いたごはんよりも水分を多く取れるだけで特に消化に良いわけではありません。普通のごはんもよく噛んで消化されれば同じ粥状になります。

    〔おすすめの食べ物〕
    お粥、白パン、豆腐、シリアル、アジやカレイなどの脂肪の少ない魚の煮つけ、鶏肉、卵、ヨーグルト、軟らかく煮た野菜、すりおろしリンゴ、バナナ、ゼリー飲料

    〔避けたい食べ物〕
    炭酸飲料、糖質の多い飲料、牛乳、コーヒー、香辛料、揚げ物、高脂肪の食事、柑橘系の果物、こんにゃくやごぼう等の食物繊維が多く消化に悪い物

  • Question.

    救急車はどういう時に呼べばよいですか?

    Answer.

    救急車は早急に治療や処置をしないと重症化、後遺症や死亡などの予後不良が予測される患者さんを緊急に搬送するためにあります。大人に比べて子どもの場合は、命に関わる病気にかかることは非常に稀です。したがって、安易に救急車をタクシー代わりに呼ぶことは、本当に命を救わなければいけない患者さんへの救急車を1台奪ってしまうことになり、人間として道徳的にも慎まなければなりません。小児で救急車を呼ぶべき状況(救急車の適正利用)とは、①けいれん、②熱傷や交通事故などの外傷、③意識がない、④呼吸困難、⑤顔色が紫色、⑥心肺停止などの症状がある場合です。発熱のみ、泣き止まない、泣き方が普段と違う、嘔吐がとまらない、お腹を痛がっている、昼間受診したが何となく心配などの場合は、緊急性に乏しいため救急車を呼ぶ必要はありません。自家用車やタクシーなどの公共交通機関を利用して受診するようにしましょう

  • Question.

    誤ってこどもに熱湯がかかってしまいました。小児科を受診したらよいですか?

    Answer.

    まずは熱湯で濡れた衣服を脱がせて、受傷直後であれば10~15℃の流水で15~30分程度冷やして下さい。処置は早ければ早いほどよいです。氷などを用いずに冷やし過ぎないよう気をつけてください。水ぶくれ(Ⅱ度熱傷)は破らないようにして下さい。初期の処置を行ったら、やけど(熱傷)は外傷ですので、形成外科を直接受診しましょう。小児科では治療の必要がないⅠ度熱傷(痛みを伴う赤い腫れのみで水疱を伴わないもの)であれば、診察のみ可能ですが、Ⅱ度以上の熱傷になると専門的な処置や入院が必要になります。また重度になると治癒後に皮膚がケロイド状に拘縮(皮膚がひきつることで体が動かしにくくなること)して形成外科的な手術が必要になることもあります。

  • Question.

    坐薬の使い方を教えてください

    Answer.

    子どもに使用する坐薬には、主に解熱剤、制吐剤、抗けいれん薬の3種類があります。
    生後6ヵ月以降から使用できます。

    1回使用量は子どもの体重1kg当たりの用量で換算し、
    解熱剤:10mg/kg、制吐剤:1mg/kg、抗けいれん薬:0.3~0.5mg/kgです。
    使用間隔は、解熱剤:6時間以上、制吐剤:8時間以上、抗けいれん薬:8時間後です。
    坐薬は棒状の固形物で、必要量を坐薬の太い方からハサミで切って使用します(大体の目安で構いません)。

    例えば、体重12kgの子どもの場合、1個200mgの解熱剤を2/3の大きさにカット(すなわち120mg)して使用します。
    カットした坐薬は包装をはがして薬を取り出します。
    坐薬に水またはオリーブオイル、ワセリン等をつけて潤滑よくさせます。
    子どもを仰向け(または横向きで足を曲げて丸くなる)に寝かせ坐薬の太いとがった方からおしりの穴に深く押し込んで下さい。
    挿入した後は足を元の状態にもどすと自然と奥まで入ります。出てきそうであれば、しばらくティッシュで押さえておきます。
    座薬

  • Question.

    子どもが固形物(硬貨、画鋲、おもちゃの破片など)を飲み込んでしまったかもしれません。

    Answer.

    子どもが異物を飲み込んだとしても、画鋲や釘などの鋭利な物も含めて大抵は便に包まれて特に体を傷つけることなく排泄されることが多いです。そのため、お子さんが特に症状がなく元気であれば通常通りの生活で便から出てくるのを待つのも一つの方法です。医療機関を受診しても経過観察のみの場合が多いです。異物が金属であればレントゲン写真で写り場所の特定ができますが、金属以外は写らないため内視鏡以外に確認手段がありません。内視鏡検査の適応は、①飲み込んだ異物がボタン電池、複数個の磁石、固形化学洗剤・漂白剤である場合、②異物が胃の中に1週間以上停滞している場合などです。内視鏡検査をするには、静脈麻酔薬を使用するため入院が必要になります。小児消化器病医または小児内視鏡を行ってくれる消化器内科医がいる病院でないと内視鏡をすることができません。
    どうしても心配、内視鏡での摘除をご希望であれば、以下のポイントに注意して、小児内視鏡が可能な病院へ直接受診しましょう。

    1. 誤飲後3時間以内に受診して下さい(※3時間以上経過すると胃より先の腸へ流れてしまい、摘除できなくなります)。
    2. お子さんは上半身を起こさず、できるだけ横になった姿勢のままで来院下さい(※体を起こすと重力で異物が胃より先の腸へ流れてしまい、摘除できなくなります)。
    3. 物を飲んだり食べたりさせないで下さい(※内視鏡検査しても食べ物で見えなくなります)。
    4. 飲み込んだと思わるの異物と同じものを持参して下さい。

  • Question.

    子どもが発熱したときにどのタイミングで病院(診療所)を受診したらよいですか?

    Answer.

    生後6ヵ月以上のお子さんの場合、発熱の原因はかぜ(即ちウイルス感染症)の場合がほとんどです。ウイルス感染症は2-4日間で自然解熱することが多く、特に特効薬もありません。発熱があっても起きて遊ぶ元気があったり、飲んだり食べたりできていれば2-3日間は自宅で発熱の様子をみてもかまいません。
    もし発熱が3日間以上続くようでしたら、細菌感染症や他の病気の可能性も出てくるため、医療機関を受診するようにして下さい。但し、生後3ヵ月以下の新生児・乳児の場合は、本来、お母さんからへその緒や母乳を通じてかぜに対する抵抗力(抗体)をもらっており発熱を起こさない時期のお子さんです。そのようなお子さんが発熱を起こした場合は、重症の細菌感染症にかかっている可能性もあり、自分では病気に対する十分な抵抗力を作れない時期であるため、急速に状態が悪化することがあります。したがって、生後3ヵ月以下のお子さんの場合は、発熱を認めた当日、おそくても翌日には医療機関を受診させた方がよいでしょう。

  • Question.

    子どもに必要な睡眠時間はどれぐらいですか?

    Answer.

    子どもの理想の睡眠時間は米国睡眠医学会によると以下の通りです。

    ・生後4~12ヵ月:1日12~16時間
    ・1~2歳 :1日11~14時間
    ・3~5歳 :1日10~13時間
    ・6~12歳:1日9~12時間
    ・13~18歳:1日8~10時間

    日常生活では小学生以上になると、勉強や受験、ゲームや友達とのメール交換等で就寝時間が遅くなり、睡眠時間が減少する傾向があります。成長ホルモンの分泌のピークは夜中の0時前後と言われていますが、0時に眠っていなくても日中覚醒時にも代償的に成長ホルモンが小分けにして分泌され、結局、両者ともに1日の成長ホルモン分泌量は変わらないとの報告があります。
    一概に「寝る子は育つ」というわけでもないようですね。

  • Question.

    小児科は何歳まで受診できるの?

    Answer.

    「小児」とは0歳~15歳(中学生)までの子どものことを指します。したがって、一般的に小児科では中学生までのお子さんを取り扱います。高校生以上の人が受診できるのは内科になるんですね。但し、例外があります。慢性疾患(治らない病気)で子どもの頃から小児科で診療を続けており、その子が高校生以上に成長した場合は、成人であっても小児科で診療を続けている人もいます。

  • Question.

    昨夜に38℃の発熱がありましたが朝には36.8℃に解熱していました。登園(登校)させてもよいですか?

    Answer.

    人の体温は1日中つねに一定ではなく朝に最低、夕方に最高となる日内変動があります。
    こどもの発熱の場合、この日内変動が顕著です。したがって、朝だけ発熱がないのは解熱したとは言えず、昼や夕方から発熱が出てくる可能性があります。よくある話で、夜には発熱があったけれど、朝には発熱がなかったので「治った!」と勘違いして小児科に受診させずに喜んで登園させたら、昼に保育園から発熱で呼び出されたといったご経験はないですか。
    こどもの発熱の経過の特徴は、朝は発熱がないけれど毎晩高熱が出るパターンが多いです。これは「熱が出たり治ったり」しているのではなく「毎日熱が続いている」と考えます。
    お子さんが解熱したという状態は、24時間、朝・昼・夕・晩のいつ体温を測っても平熱(38.0℃未満)であることです。お子さんを登園(登校)させる場合は、上記の解熱の状態を十分に確認できてからにしましょう。

  • Question.

    乳児(1歳未満の赤ちゃん)が飲んだり食べたりしてはいけないものは何ですか?

    Answer.

    乳児に与えてはいけない食材は下記の通りです。

    ・はちみつ:乳児ボツリヌス症を発症し、呼吸筋麻痺で死にいたる危険性があります
    ・全卵:食物アレルギーでアナフィラキシーを起こす危険性があります。全卵は1歳以降で。
    ・こんにゃくゼリー:のどに詰めて窒息する可能性があります。
    ・おもち:のどに詰めて窒息する可能性があります
    ・あめ玉:のどに詰めて窒息する可能性があります。
    ・ピーナッツ:そのまま与えると誤嚥して気管に入り、化学性肺炎になります。
    ・山いも:アクが強く、生で食べるとアレルギー症状が強く出ることがあります。
    ・白湯:乳児に必要な水分は母乳かミルクだけです。乳児に白湯を飲ませることは貴重な授乳という栄養をとる機会を失わせてしまいます。百害あって一利なし。
    ・コーヒー、紅茶、緑茶:カフェインが含まれるため乳児には与えると、めまい、手足のしびれ、意識消失、頻脈、興奮、震え、不眠、嘔吐、下痢などをきたし、脳の発達にも悪影響を与えます。
    ・炭酸飲料:気泡が出て胃が膨張し、嘔吐する原因になります。
    ・香辛料:そもそも赤ちゃんに与えるものではありません。
    ・生魚:特に夏場は食中毒の原因になりやすいです。
    ・牡蠣:ノロウイルス胃腸炎にかかる可能性があります。

  • Question.

    発熱が続いている時はどのような間隔で受診したらよいですか?

    Answer.

    お子さんが発熱で医療機関を受診させると、病状に合わせて抗菌薬や症状に対するお薬をもらいますよね。お薬は指示された量と回数をしっかり飲ませることで、体の中の薬物濃度が上昇し徐々に効果を発揮しますが、治療効果が出てくるには最低3日間以上はかかります。お薬を1-2回飲ませて翌日にはきれいスッキリと症状がなくなるような「魔法のお薬」は存在しません。
    お薬をもらったけど、翌日も発熱があり心配なので毎日のように受診することは良くありません。それは逆にお子さんの体力を不必要に消耗させ、さらに受診することで別の病原微生物に感染する機会を増やしてしまい、お子さんの病状を悪化させる一因となります。
    まずはお母さんの心配な気持ちは一旦押し殺して、処方されたお薬の日数分を確実にお子さんへ飲ませて、外出させず自宅でゆっくり休ませてあげて下さい。少なくとも2-3日間はお薬の効果が出てくるかを観察して下さい。
    したがって、医療機関の適切な受診間隔は2-3日間が望ましいです。但し、食事や水分がとれない、お薬が飲めない、発熱以外の咳や息苦しさ・嘔吐・腹痛などの症状が急速に悪化した場合は、3日間を待たずに発熱以外の症状に対して受診させるようにしましょう。

  • Question.

    夜に子どもが発熱した時はどうしたらよいですか?

    Answer.

    それなりに食事や睡眠がとれているようなら夜間はゆっくり休ませてあげて、朝一番でかかりつけの小児科を受診させるのが最良の方法です。発熱の高さは重要でなく、人の体温は1日で上下に変動するため38℃も40℃も同じです。大切なのは発熱が何日間続くかということです。
    夜間にあわてて夜間急病診療所を受診させることは、状態の落ち着いているお子さんにとっては以下の6つのデメリットがあるのでお勧めしません。

    1)特に冬場では、こごえるような寒さの中、発熱のお子さんを外へ連れ回すのはお子さんにとっても辛いし、さらにかぜを悪化させる。
    2)急病診療所にはお子さんの病気以外のかぜで受診している子どもが待合室に多数おり、待っている間にお子さんが別の病原微生物に感染するリスクがある。
    3)担当医はお子さん自身や病気にかかった時の特徴を全く知らない先生で、曜日や時間帯で交代し継続的にお子さんを診られない。毎回受診のたびに最初から経過を話さなければならない。
    4)応急的な診療所のため十分な検査はできず、結局、翌朝にかかりつけ医を再度受診しなければならない。それなら家で休ませ、受診を1回にまとめた方が楽です。
    5)応急的な診療所のため、処方できるお薬の種類は限られており、さらに原則的に1日分しか処方してもらえません。結局、翌朝にかかりつけ医を受診しなければならない。
    6)生後3ヵ月以下の乳児を親の不安だけの理由で不用意に受診させると、大事を取って入院を勧められ、自宅から遠方の当番病院へ紹介入院させられることがある。

    以上より、夜間急病診療所は、状態が悪く即日入院加療を必要とするお子さんが受診すると、入院可能な病院を紹介してもらい夜間でも入院できるメリットがあります。一方、発熱のみで状態が悪くないお子さんとっては本人と両親の労力と時間浪費の割にメリットは少ないことが多いためお勧めしません。