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2022.11.28

乳幼児コロナワクチンはうけるべき?

乳幼児コロナワクチンはうけるべき?

2022年10月24日から生後6ヵ月~5歳未満の新型コロナワクチン(以下、乳幼児コロナワクチン)接種が可能となり、当院でも12月より接種を開始します。

そこで、そもそも乳幼児にコロナワクチンをうった方がよいのでしょうか?うたなくてもよいのでしょうか?

 

2022年7月からの第7波ではコロナの子どもの患者数も急増に伴い、以前は少数であった重症例と死亡例が増加しています。
大人と比較して子どもの呼吸不全例は比較的まれですが、オミクロン株流行以降は小児に特有な疾患であるクループ症候群、熱性けいれんを合併する子どもが増加し、また脳症、心筋炎などの重症例も報告されています。

乳幼児コロナワクチンの有効性は、発症予防効果については71.8~75.8%と報告されています。
これまでの知見から重症化予防効果は発症予防効果を上回ることが期待されます。
乳幼児コロナワクチンの安全性について、有害事象は無投薬(偽薬)群と同等で、米国の調査でも有害事象はまれと報告されています。大人と比べても副反応は少ないとも報告されています。

第7波では、感染した子どもから同居家族全員が感染する事例も多くみられました。
コロナから子どもを守るには同居している親・大人がワクチンをうつことが大事ですが、保育園など集団生活や外出をする上では感染は防ぎきれません。
たとえ親がワクチンをうっていても、家庭でできる感染防御策には限界があり、また感染した子どもの看護やお世話をするとなると常に感染者との濃厚接触が7日間持続することとなり、さすがに親も感染してしまい家族全員で自宅に引きこもらざるをえない状況になります。

 

以上の根拠から、日本小児科学会では6ヵ月~15歳のすべての年齢の小児のコロナワクチン接種を推奨しています。
自分たち親はワクチンをうって防御策をとっているのに、子どもにはワクチンをうたずコロナ感染のリスクにさらしているのは……おかしくないですか?
子どもにコロナワクチンをうたせていないのに、「子どもがコロナにかかっていたら心配だしかわいそう…」と痛い鼻の検査ばかり一生懸命受けさせるのは……矛盾していませんか?
インフルエンザのワクチンは接種させるのに、コロナワクチンは接種させていない……それって感染対策になっていますか?

今のところ、コロナワクチンは公費(無料)で受けられますが、そのうちインフルエンザワクチンと同様に自費(有料)になるでしょう。今のうちにお子さんにうけさせておいた方が、何かとメリットが多いのではないでしょうか。

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