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内分泌疾患

肥満症、メタボリックシンドローム Obesity, metabolic syndrome

肥満症とは

肥満とは身体に過剰に脂肪が蓄積した状態を指します。日常的にみられる肥満児の大部分は基礎疾患のない原発性肥満(単純性肥満)です。肥満症とは、肥満に起因ないし関連する健康被害(医学的異常)を合併するか、その合併が予想される場合(内臓脂肪型肥満)で、医学的に肥満を軽減する必要がある状態をいいます。小児肥満は子どもの約7~10%にみられます。

メタボリックシンドロームとは

メタボリックシンドロームは腹部肥満を必須として、脂質異常症(中性脂肪高値、低HDLコレステロール血症)、高血圧、空腹時高血糖の3つの動脈硬化危険因子のうち2つ以上をみとめる状態をいいます。将来的に心血管疾患の発症リスクが高い状態です。

肥満症の症状

無症状、肥満、腹囲増加、睡眠時の著しいいびきや呼吸停止、運動能力低下、多汗、倦怠感、意欲低下、過食、多飲多尿、腹部の皮膚線状、首・わき・腰回りの色素沈着(黒色表皮腫)、月経異常、不登校

肥満症に伴う健康被害

1.身体的問題
高血圧、睡眠時無呼吸、2型糖尿病、非アルコール性脂肪性肝疾患、脂質異常症、高尿酸血症、動脈硬化促進

2.心理的問題
いじめの標的になりやすい、自己像のゆがみ、自己肯定感・自尊心の低下、無気力、不登校

3.その他の問題
運動器疾患・機能障害、肥満関連がんの罹患率上昇、壮年期の総死亡率上昇

肥満症の原因

原発性肥満は肥満になりやすい遺伝的要因に肥満を引き起こす生活習慣が加わって発生します。一般に肥満発生には生活習慣の関与の方が大きいとされています。

〔肥満の原因となる生活習慣〕
過食、一人で食事をとる(孤食)、間食、偏食(野菜などの食物繊維摂取不足)、電子機器の長時間使用(長いスクリーンタイム)、運動不足、睡眠不足、過剰なストレス、自閉症スペクトラム障害など

肥満症の検査

1.定期的な身体計測:身長・体重・腹囲を測定し肥満度などを評価します

2.血液検査:脂質異常症、糖尿病、耐糖能異常、高尿酸血症、肝障害などを評価します

3.腹部超音波:脂肪肝や肝線維化の程度を評価します

4.腹部CT:内臓脂肪量を測定します

肥満症の治療

治療の基本方針は、正常な発育を妨げず、内臓脂肪量を減少させ、健康被害を是正することです。

1.食事療法
(1)糖質・脂質・塩分をひかえる
(2)毎日野菜を食べる
(3)おやつ・夜食をやめる
(4)外食やインスタント食品、ファーストフードをさけて、自宅でお母さんの手作りごはんを食べる
(5)毎日、決まった時間に同じ量を3食きっちり食べる。お替りしない。夕食より朝食を多く食べる
(6)家族全員で食卓を囲み同じものを食べ、大皿盛りでなく定食にする

2.運動療法
(1)毎日、息がはずみ、胸がどきどきし、汗ばむような有酸素運動を1日60分以上行う(例:ウォーキング、ジョギング、水泳、球技、ダンスなど)
(2)筋肉トレーニングで筋肉をつけ、食べても太らない体づくりをする
(3)個人スポーツより集団スポーツの方が楽しくでき長続きします

3.日常生活習慣
(1)早寝早起き、1日8時間以上の睡眠をとる
(2)テレビ・パソコン・スマホ・タブレット・ゲームなどの電子機器を使う時間(スクリーンタイム)を2時間未満におさえる

4.行動療法
(1)毎日、自分で体重測定をしてグラフに記録させることで体重変化を視覚化させ意識させる
(2)下記の生活習慣自己管理チェックリストを毎日記録し意識を高める

 

〔基本の約束と生活習慣自己管理チェックリスト〕
a)基本の約束
①毎日一人分の食事を盛り付ける
②1日3食を食卓で食べる
③食品の大体のカロリーを把握する
④飲み物はお茶・牛乳・ノーカロリー飲料
⑤パンには何も塗らない、サラダは何もかけない
⑥テレビゲームは自宅で1人でやる
⑦毎日、夕食前に体重計測をしてグラフに記録する

b)生活自己管理
①朝食をぬかなかった
②昼食の量をまもれた
③おやつの量をまもれた
④夕食の量をまもれた
⑤夜食を食べなかった
⑥テレビゲームを1時間以上しなかった
⑦家の手伝いをした

5.薬物療法
防風通聖散:内臓脂肪を減らす作用があります

先生からのひとこと

飽食時代で室内娯楽の発達した現代では、大人・子ども共に肥満になりやすいです。肥満は健康被害をもたらし、将来的に不幸な疾病罹患や寿命の短縮のリスクが高まります。「うちの子は太ってるけど無症状で元気だから大丈夫」は大きな間違い。学校健診や血液検査で異常を指摘された時点で既に体への異変が始まっており、お子さんを含めた家族全員の生活習慣を見直すよい機会です。家族全員で取り組んで、皆が元気で長生きして楽しい人生を送れるようにしましょう。