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内分泌疾患

                           症状名
思春期早発症 Precocious puberty

思春期早発症とは

性ステロイドホルモンが通常より早期に分泌されることにより(あるいは外因性の性ステロイドホルモンにさらされることにより)二次性徴が極端に早く出現した状態。
腫瘍性病変が合併したり、最終身長が低身長になる場合があり精査・治療が必要です。

思春期早発症の症状

1.女児の主徴候
・7歳6ヵ月未満で乳房発育が起こる
・8歳未満で陰毛発生または小陰唇色素沈着などの外陰部の成熟、わき毛発生が起こる
・10歳6ヵ月未満で初経をみる

2.男児の主徴候
・9歳未満で精巣・陰茎・陰嚢などの明らかな発育が起こる
・10歳未満で陰毛発生をみる
・11歳未満でわき毛、ひげの発生や声変わりをみる

他に成長率の増加、骨年齢の促進も認められます。

思春期早発症の原因

GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)の分泌増加による下垂体ゴナドトロピン〔LH(黄体形成ホルモン)とFSH(卵胞刺激ホルモン)〕の分泌増加に起因し、女児の頻度が高い。乳幼児や男児例ではホルモン産生腫瘍の可能性もあります。

思春期早発症の検査

1.成長曲線へのプロット:身長や年間成長速度が標準値を大きく超えていないか確認します。

2.手根骨レントゲン:手の骨のX線写真で骨の成長年齢(骨年齢)が実年齢よりも大きく進んでいないかを確認します。

3.血液検査:下垂体性ゴナドトロピン(LH、FSH)と性ステロイドホルモン(テストステロン、エストラジオール)の亢進、甲状腺機能を調べます。

4.画像検査:頭部MRI、骨盤腔MRI/腹部超音波にて腫瘍性病変の検索や生殖器の発育を評価します。

思春期早発症の治療

徐放型GnRHアナログ製剤(リュープリン®):黄体形成ホルモンとエストラジオール/テストステロンの分泌を抑えることで二次性徴の進行を抑制します。最終身長改善を重視するのであれば、女児では12歳ごろで治療中止するのが良いとされています。

                           宮崎先生よりひとこと

先生からのひとこと

「思春期早発症=治療が必要」というわけではありません。腫瘍性病変の有無を確認した上で、低身長を理由にいじめなどの精神的負担が強い場合や月経に対する適切な対応が難しい場合、最終身長改善を重視する場合には積極的な治療を考えましょう。