内分泌疾患
甲状腺機能亢進症/バセドウ病
Hyperthyroidism/Basedow disease
甲状腺機能亢進症とは
甲状腺ホルモン合成が亢進することで、血中の甲状腺ホルモンが増加し、生体の各組織の代謝が亢進した状態。代表的な疾患がバセドウ病です。
甲状腺機能亢進症の症状
動悸、息切れ、手の震え、多汗、暑がり、食欲亢進を伴う体重減少、活動性亢進、刺激過敏、気分変調、不眠、筋力低下、排便回数増加、下痢、倦怠感、疲れやすい、情緒不安定、過多月経、無月経、学業成績の低下、身長促進m、落ち着きがない、夜尿など
甲状腺機能亢進症の原因
甲状腺が腫れて刺激型TSH(甲状腺刺激ホルモン)受容体抗体が、甲状腺細胞のTSH受容体に結合し、持続的に甲状腺ホルモン産生が増加する。子どもの甲状腺機能亢進症の多くはバセドウ病です。
甲状腺機能亢進症の検査
1.血液検査:甲状腺機能(TSH、FT3、FT4)や甲状腺に対する抗体(抗TPO抗体、抗サイログロブリン抗体、TSH受容体抗体、TSH受容体刺激抗体)などを調べます。
2.甲状腺超音波:甲状腺の血流増加、腫大、腫瘤の有無などを調べます。
甲状腺機能亢進症の治療
1.抗甲状腺薬(メルカゾール®):第一選択薬。甲状腺ホルモンの生成を阻害する
2.β受容体遮断薬:動悸などの甲状腺中毒症状が強い場合に併用する
先生からのひとこと
甲状腺機能亢進症は、甲状腺中毒症状や学校健診で甲状腺の腫れを指摘されて見つかることが多いです。子どもは内服薬での治療が主です。長期継続(5~10年間)することにより寛解が得られます。