消化器疾患
急性肝炎
Acute hepatitis
急性肝炎とは
さまざまな原因による急性の炎症性肝障害の総称。小児では血液検査で肝逸脱酵素の上昇を指摘され偶然発見されることが多い。持続は6か月以内。
急性肝炎の症状
無症状、倦怠感、食欲不振、腹痛、黄疸
急性肝炎の原因
EBウイルス、サイトメガロウイルス、マイコプラズマなどの感染症、アセトアミノフェンや抗菌薬などの薬剤性が多い。大人のようなB型・C型肝炎は稀。他、川崎病・熱中症などの全身性疾患に伴う二次性肝障害がある。
急性肝炎の検査
1.血液検査:肝酵素(AST,ALT)の上昇、原因ウイルスの抗体価、全身性疾患の鑑別
2.腹部超音波:生まれつきの肝胆道奇形、肝脾腫、肝門部リンパ節腫脹などを調べる。
急性肝炎の治療
1.対症療法:ウイルス感染症が原因の場合、自然軽快することが多く特別な治療はない。
2.肝庇護剤:肝障害の程度が強い場合に肝臓の防御を目的として使用する。
3.各原疾患の治療:他の疾患の1症状としての肝障害の場合、もともとの疾患の治療を行う。
先生からのひとこと
肝臓は「静かなる臓器」と言われ、肝炎は無症状のことが多いです。しかし、無症状だから大丈夫というわけではなく、気づかないうちに病状が進行するという怖さがあります。症状が出るということはかなり重度または末期状態であるため、そうならないよう定期的に血液検査で確認をし、精査加療しましょう。