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消化器疾患

機能性便秘症 Functional constipation

機能性便秘症とは

器質的疾患がなく、排便が週2回以下、毎日便が出ていても硬い便や少量のコロコロ便で、排便するのに努力や苦痛を伴う状態が1か月以上前から存在すること。

機能性便秘症の症状

便秘(便の回数の減少)、腹痛(排便に泣き叫ぶ)、いきみが強い、トイレに詰まるくらい大きな便、無意識の便漏れ、便が大きいせいで排便時に肛門が切れて出血、両足を交叉させ便を我慢する姿勢、食欲低下

機能性便秘症の合併症

尿路感染症、水腎症等の腎泌尿器疾患

機能性便秘症の原因

以下の2つの便秘の悪循環によります。難治例には精神的ストレスが関与する場合があります。

①便が直腸に貯留した状態が長くなると、直腸が拡張して便意が消失し、排便しないことにより更に便が貯留し続ける悪循環

②便が腸に貯留した状態が長くなると、便の水分がなくなり硬くなることで排便時に腹痛や肛門が切れる痛みを認めるようになる。痛みを回避するために便を我慢するようになり、更に便が貯留することになる悪循環

 

機能性便秘症の検査

1.血液検査:便秘の原因となる消化管・内分泌などの病気がないかを除外するために行います。
2.便検査:血便の有無を調べ、器質的な消化管疾患がないかを調べます。
3.腹部X線:器質的疾患の除外や便の貯留の程度を評価するために行います。
4.腹部超音波:器質的疾患の除外や便の硬さや貯留の程度を評価するために行います。
5.腰椎MRI:脊椎病変による膀胱直腸障害がないかを調べます。

機能性便秘症の治療

便秘症は食事・生活習慣の乱れが原因となるものが多いです。まずは生活習慣を改善に努めましょう。むやみに便秘薬にとびつくと、いつまで経っても薬がやめられないことになります。

1.生活習慣の改善(腸活)
(1)十分な水分摂取:水分が少ないと便が硬くなります。1日1~1.5L以上は飲みましょう。

(2)食物繊維をとり偏食をなくす:食物繊維の摂取が少ないと便が硬くなり出にくくなります。野菜、海藻類、果物、いも等の根菜類、パスタを食べましょう。イージーファイバーなどの補助食品を利用するのも良いです。

(3)適度の運動:自宅でテレビやゲームなどをして体を動かさないと腸の動きも鈍くなります。やや汗ばむ程度の運動を毎日30分以上して腸の動きを活性化しましょう。

(4)早寝早起き朝ごはん朝うんち:毎日便が出ても昼~夜に排便する子の便の量は、朝に比べてかなり少ないです。朝に排便をするためには朝ごはんが欠かせず、朝ごはんを食べるには早寝早起きにより朝の時間のゆとりを作る必要があります。

(5)プロバイオティクス:ヤクルト・ヨーグルトなどでビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌を摂取することで腸内環境を整え、腸の動きがスムーズになります。

2.薬物療法
生活習慣を改善しても排便困難が改善しない場合に行います。

(1)浸透圧性下剤:浸透圧を高めて腸管内に水分を引き込み、便をやわらかくします。
①糖類下剤:モニラックシロップ®[液]、マルツエキス®[液](適応年齢:2歳未満)
②塩類下剤:酸化マグネシウム®[粉](適応年齢:全年齢)
③ポリエチレングリコール:モビコール® [粉を溶かして](適応年齢:2歳以上)

(2)刺激性下剤:大腸粘膜刺激による蠕動亢進作用と水分吸収阻害作用。
ラキソベロン®[液]、プルゼニド®[錠]

(3)分泌性下剤:腸液分泌を亢進させ、便中の水分含有量を増やす。
アミティーザ[錠]、リンゼス[錠](適応年齢:錠剤が飲める年齢)

(4)胆汁トランスポーター阻害薬:大腸管腔内に流入する胆汁酸の量を増加させ浸透圧性下剤作用と腸蠕動亢進作用の2つの効果がある。
グーフィス[錠](適応年齢:錠剤が飲める年齢)

(5)消化管運動賦活薬:消化管運動を促進する作用がある。
ガスモチン[粉・錠](適応年齢:全年齢)

(6)漢方薬:
①大黄甘草湯:腸管粘膜刺激による腸蠕動亢進作用と腸管過剰収縮緩和作用
②麻子仁丸:大黄による瀉下作用と麻子仁による腸の潤滑作用

先生からのひとこと

小児の便秘は、大人と違い放っておけば治るものではありません。逆に便秘の悪循環を繰り返すことで難治性になっていきます。「たかが便秘、されど便秘」。子どもが便秘という病気で苦しんでいることに母親が気づき、治療の必要性を理解することが大切です。当院では便秘の専門外来もあり、便秘でお困りの方は是非ご相談下さい。