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消化器疾患

感染性胃腸炎 Infectious gastroenteritis

感染性胃腸炎とは

感染性胃腸炎とは、病原微生物の口からの感染により、嘔吐から始まり、下痢(泥状便~水様便が普段の排便回数よりも1日3回以上増加している状態)を認める病気です。

感染性胃腸炎の症状

吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、発熱、血便、食欲不振、頻回嘔吐による経口摂取困難

感染性胃腸炎の合併症

脱水症、低血糖、電解質異常、胃腸炎関連けいれん、ギラン-バレー症候群、溶血性尿毒症症候群、脳炎・脳症、膵炎など

感染性胃腸炎の原因

感染性胃腸炎の原因には、ウイルス性と細菌性の2つがあります。

1.ウイルス性:生牡蠣の摂取や感染者からの糞口感染・接触感染よって感染する。潜伏期間が24~48時間。嘔吐症状が強く、血便のない水様性下痢を認め、脱水症やケトーシスに陥りやすい。

2.細菌性:汚染された生の牛肉・鶏肉、傷んだ乳製品、井戸水や湧き水、汚染された手で握ったおにぎりなどの摂取で感染する。ミドリガメやザリガニなどの水生生物との接触・経口感染でも感染する。強い腹痛、血便、下痢を起こす。

感染性胃腸炎の検査

1.血液検査:ウイルス性と細菌性の鑑別、脱水症・低血糖・電解質異常の評価、合併症の有無を調べるために行います。
2.尿検査:頻回嘔吐の原因となるケトン体や腎合併症を調べるために行います。
3.便潜血検査:血便の有無を調べるのに行います。
4.細菌培養検査:食中毒の原因となる病原性細菌の検出のために行います。抗菌薬の治療開始前に行わないと検査ができなくなります。
5.腹部超音波:ウイルス性と細菌性の鑑別や他の消化器疾患との鑑別、合併症の有無を調べるために行います。

感染性胃腸炎の治療

子どもは大人よりもからだの成分での水分含有量が多いわりに、汗などの水分排泄量が多く腎機能も未熟なため容易に脱水症や電解質異常をきたしやすく入院治療を要することが多い。

1.ウイルス性
ウイルスを駆逐する治療薬はありません。基本的に輸液や症状に対する治療(対症療法)のみで症状が軽快するのを待ちます。ロタウイルスはワクチンにより重症化を予防することができます。

2.細菌性
軽症の場合には抗菌薬は不要です。乳児、症状が強いとき、炎症反応が強いなどの中等症以上の場合は抗菌薬を使用します。

3.治療法
⑴整腸剤:善玉菌を増やして腸内環境を整えたり、便を固めて下痢を軽減させます。腸の動きは抑制しません。

⑵制吐剤:肛門から吐き気止めの坐薬を入れます。腸の動きを活発にして嘔吐を軽減させます。

⑶抗菌薬:中等度以上の細菌感染症に対して病原性細菌を死滅させます。

⑷経口補水療法:脱水症を進行させず入院を回避するには自宅での水分・糖分・塩分をどれだけ口から補給できるかが重要です。子どもが欲しがらない、嫌がるから与えないでは入院しか手はありません。

〔方法〕
飲ませる物は経口補水液OS-1が理想ですが、自宅にない場合は水1Lに食塩3g(ひとつまみor小さじ1杯)、砂糖18g(大さじ1杯)を溶かしたもので代用できる。レモン汁をひとしぼり入れると飲みやすくなる。これらの飲料を1回5mL(ペットボトルのキャップ1杯の量)、5分毎に3~4時間かけてこまめに与える。嘔吐があっても与え続けてよい。

⑸食事療法:水分を飲んでも吐かなければ通常の食事を与えましょう。炭水化物を中心に脂肪の少ない煮魚、卵、豆腐、すりおろしたリンゴ、バナナなどを与えましょう。下痢の時は、便の性状に似た形状の食事を与えるとよいです。
乳児には母乳・ミルクをそのまま与えましょう。母乳・ミルクを白湯で薄める必要はありません。

先生からのひとこと

胃腸炎は日常よくみられるいわゆる「おなかのかぜ」です。子どもは簡単に脱水症に陥るためこまめな水分摂取を心掛けましょう。また白湯やお茶など水分だけしか摂らせていないと嘔吐が止まらなくなったり、低血糖や電解質異常によるけいれんを起こすため一緒に糖分・塩分も与えましょう。家族全滅といったことにならないよう手指衛生を励行しましょう。
①口の中や皮膚の乾燥、②皮膚をつまんで2秒以内に元に戻らない、③おしっこが1日1-2回しか出ていない、④泣いても涙が出ない等の脱水症状がみられたら速やかに医療機関へ受診しましょう。