症状詳細 症状詳細

感染症

                           症状名
水痘(みずぼうそう) Varicella (chickenpox)

水痘とは

水痘は「みずぼうそう」とも呼ばれ、水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella zoster virus)の初感染によって起こり、全身の皮膚に水疱ができる感染症です。感染力は強く、ワクチンを受けなければ10歳までに約80%の小児がかかるといわれています。水痘は感染症法における五類感染症に指定されています。

水痘(みずぼうそう)の症状

頭髪部も含めた全身性発疹(水疱疹)、発熱 ※熱性けいれんを合併することがある
発疹は丘疹(盛り上がった発疹)→水疱(水を含んだ発疹)→膿疱(うみを含んだ発疹)→痂疲(かさぶた)→落屑(枯れてはがれ落ちる)と変化していきます。
成人では小児に比べて重症化することが多くなり、死に至る危険性があります。

みずぼうそう

水痘(みずぼうそう)の原因

水痘・帯状疱疹ウイルスの感染によるもの。水痘・帯状疱疹ウイルスは気道粘膜、眼球結膜から侵入し、全身に散布され皮膚の感染、水痘発症に至る。潜伏期間は10~21日。

水痘(みずぼうそう)の検査

周囲の流行状況と皮膚所見より診断するため、基本的には検査はしません。
血液検査にて水痘・帯状疱疹ウイルス抗体価を調べることはできますが、医療従事者の健診や入院患者で免疫抑制療法を開始する前の検査として行います。

水痘(みずぼうそう)の治療

1.治療薬

⑴抗ヘルペスウイルス薬:ゾビラックス®顆粒、アストリック®ドライシロップ、ビクロックス®シロップ。ウイルスの増殖を抑える作用があり、発症後24時間以内に投与開始しないと効果がありません。
⑵フェノール亜鉛華リニメント(カチリ®):水疱疹に塗る外用薬。かゆみを抑え、患部を保護し炎症をやわらげる作用があります。
⑶解熱剤(熱冷まし)

2.予防接種

ワクチン接種することで感染を予防することができます。
定期接種では1回目は生後12~15か月、2回目は1回目終了後6~12か月の間隔で接種します。

 

                           宮崎先生よりひとこと

先生からのひとこと

水痘は幼児がかかる一般的な感染症です。軽症で経過し、1週間程度で自然治癒することが多いですが、成人や免疫抑制者がかかると重症化、死亡、合併症を伴うリスクが高いです。水痘は感染力が強いです。「感染させて免疫をつけさせる」という考え方は、お友達に感染させたり、万一、ご両親を始めとする同居家族が免疫をもっていない場合に感染すると重症化するリスクをはらんでいます。したがって、お子さんがかかる前にワクチン接種をして免疫をつけておきましょう。