手足口病・ヘルパンギーナ
Hand-foot-mouth disease, herpangina
手足口病・ヘルパンギーナとは
手足口病・ヘルパンギーナは、アデノウイルスによる咽頭結膜熱(プール熱)と並んで「夏かぜ」と呼ばれます。こどもの夏季に代表的なエンテロウイルス感染症です。
1.手足口病
手のひら、足の裏、口の中に水疱性発疹がみられる病気です。
2.ヘルパンギーナ
のどの口蓋弓部(のどちんこの両側のアーチ型になっている部分)に小水疱や潰瘍ができる病気です。
手足口病・ヘルパンギーナの症状
1.手足口病
発熱、手のひら・足の裏・口の中の水疱性発疹、口の中の痛みによる飲食困難とそれに伴う脱水症状、熱性けいれんなど。
2.ヘルパンギーナ
発熱、のどの口蓋弓部の小水疱・潰瘍、口の中の痛みによる飲食困難とそれに伴う脱水症状、熱性けいれんなど。
手足口病・ヘルパンギーナの原因
エンテロウイルスによる感染症です。エンテロウイルスの中には、ポリオウイルス、エコーウイルス、コクサッキーウイルス、エンテロウイルス群(68~71型)の4つがあります。感染経路は糞口感染、飛沫感染による。
1.手足口病
原因ウイルスとしては、エンテロウイルス71、コクサッキーウイルスA16, A10, A6が多い。
2.ヘルパンギーナ
原因ウイルスとしては、コクサッキーウイルスA2~A8, A10が多い。
手足口病・ヘルパンギーナの検査
特別な検査はありません。エンテロウイルスを調べる迅速検査キットはありません。
脱水症状の評価をする際に血液検査や尿検査を行うことがあります。
手足口病・ヘルパンギーナの治療
ウイルス感染症であり自然治癒します。ウイルスを駆逐する薬はありません。症状に対する治療(対症療法)で改善を待ちます。
食欲不振や水分摂取不良による脱水症が進行すると、脱水症に対する入院治療が必要になる場合があります。
先生からのひとこと
夏季に流行するいわゆる「夏かぜ」です。夏季であり脱水症にならないようこまめな水分摂取を心掛けましょう。約2-4日で自然治癒することが多いですが、水分摂取不良や発熱が長引く際は医療機関を受診しましょう。