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IgA血管炎 IgA vasculitis

IgA血管炎とは

感染症をきっかけに体内に免疫グロブリンA(IgA)を主体とする免疫複合体がつくられ、皮膚、消化管、関節、腎臓などの小型の血管壁に沈着して傷害を起こす病気。4~6歳の男児に多い。

IgA血管炎の症状

少し盛り上がった出血斑(紫斑)、頭・顔・四肢の一部が腫れて触ると痛い(クインケ浮腫)、腹痛、血便、足首や膝の関節痛、立位・歩行困難、血尿・蛋白尿など。
紫斑、腹部、関節症状は急性期(発症から2週間以内)に認めますが、腎炎は慢性期(発症から3週間以降)に認めます。

 

IgA血管炎の原因

免疫とは本来は外から入ってきた病原微生物に対し免疫複合体をつくって攻撃をする防御機能です。その機能に狂いが生じ、A群β溶連菌に感染後、菌体成分と同じ成分が自分の体の中にあるとそれに対して免疫複合体をつくり、誤って自分の体の血管を攻撃してしまうことで血管炎が起きます。

IgA血管炎の検査

  1. 血液検査:
    血小板数が正常なら、同様に紫斑を認める血小板減少性紫斑病を否定できます。凝固機能が正常なら、出血をきたす血液疾患を否定できます。血管炎の指標(FDP、Dライマー)が上昇。凝固13因子が減少。
  2. 尿検査:
    腎炎を発症すると血尿・蛋白尿を認めます。
  3. 腹部超音波:
    腹痛が強い場合、他の消化管疾患の鑑別除外やIgA血管炎の診断のために行います。

IgA血管炎の治療

入院治療となった場合、約2~4週間の入院期間になることが多いです。

  1. 臥床安静
    立ったり歩いたりすることで足の血管に圧や刺激が加わり出血して紫斑になります。紫斑を繰り返したり長引いたりすると腎炎の発症リスクが高まります。腎炎を発症すると数か月以上の治療が必要になることがあるため、急性期はできる限りベッド上でおとなしく過ごす必要があります。
  2. 止血剤(点滴・内服)
    出血を抑え紫斑を軽減します。有効性は定かではなく投与されない場合もあります。
  3. ステロイド薬
    血管の炎症を鎮め症状を緩和します。腹痛・関節痛が強い時に使用します。
  4. 絶飲食
    腹痛が強く腸管の腫れが重度の場合、症状の軽減や腸管の安静を図るため飲食を一旦中止します。
  5. その他
    難治例には凝固13因子補充、ウリナスタチン、コルヒチン、ジアフェニルスルホンを投与した報告もあります。

先生からのひとこと

IgA血管炎は皮膚・関節症状から皮膚科や整形外科を受診し、良くならないために小児科へ紹介されることも多いです。
腹痛は病気の中で1-2位を争うほどの激痛で、昔は虫垂炎と間違って開腹手術をされた例もあるようです。
腎炎は長期間の治療が必要になり、一部の児では腎不全にいたる例もあります。したがって、治療の目標は「いかに腎炎を起こさずに病気をやり過ごすか」に尽きます。腹痛・関節痛が治った後も元気なのにベッド上安静を強いられるというジレンマがあるのが特徴です。