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ワクチン

2026.03.18

胎内から赤ちゃんを守るRSワクチン

RS(Respiratory Syncytial)ウイルスは、主に乳幼児に呼吸器感染症を引き起こすウイルスで、2歳までにほぼ100%の子どもが感染します発熱、鼻水、咳が主な症状で、症状が重症化すると哺乳不良、咳き込み嘔吐、呼吸困難、睡眠困難などの症状を呈し、入院が必要になる場合もあります。しかし、RSウイルスをやっつける抗ウイルス薬はなく、かかってしまった場合は対症療法を行うしかありません。特に生後1歳未満の赤ちゃんは、細気管支炎や肺炎になり重症化しやすいため注意が必要です。冬~春にかけて流行し、感染力が強く、毎年でも感染します。国内では2歳未満のRSウイルス感染による受診者は年間10万人以上、そのうち約3万人が入院していると言われています。

これまでのRSウイルスワクチンは、生まれつき心疾患、呼吸器疾患をもっている児、早産児といった呼吸器感染症に脆弱なの方のみを対象として「シナジス」というワクチンを接種してきましたが、健康正常児の方はRSウイルスを予防する手立てがありませんでした。

2024年5月にはRSウイルス感染症予防薬「ベイフォータス(一般名:ニルセビマブ)」が発売され、上記のリスクの高い子ども以外に、健康正常児の方でも投薬可能となりました。しかし、1回45万円以上の高額医療のため実際にクリニックなどの臨床の現場で使用することは、ほぼ皆無(高額過ぎて誰も手が出せない)の状態でした。

このたび2026年4月1日から母子免疫RSウイルスワクチンが定期接種化されることになったため、詳しく解説していきます。

◆母子免疫ワクチン-アブリスボ-とは?

アブリスボ(Abrysvo)は、ファイザー社が開発した、主に妊娠中の女性が接種することで、生まれてくる赤ちゃんをRSウイルス感染症から守る母子免疫ワクチンです。母体でできた抗体を胎盤経由で赤ちゃんに移行させ、生後6か月までの重症化を予防します。

 

〔接種対象〕

妊娠24~36週の妊婦推奨は妊娠28~36週

※子どもに接種するワクチンではありません!

〔接種方法〕

0.5mlを筋肉内注射1回接種のみで完了

(三角筋とよばれる肩の筋肉へ接種します)

〔接種費用〕

定期接種(公費)の場合は無料です

(自由診療の場合、約33,000円前後)

〔予約方法〕

当院での接種の場合、電話でのご予約TEL:072-631-2777のみ受付けていますWEB予約はできません

〔効果〕

生後6か月までの乳児のRSウイルス感染症の重症化を予防します。

発症予防効果は50%、重症予防効果は80%です。

〔副反応〕

接種部位の痛み・赤み・腫れ、頭痛、筋肉痛、蕁麻疹など。重大な副反応としては、接種時の迷走神経反射、ショック、アナフラキシーがあります(頻度不明)

→いわゆる他の一般的な予防接種に共通してみられる副反応だけです。

※早産や新生児奇形のリスクは報告されていません。

〔接種後の注意点〕

・接種後15~30分は、注意深い観察が必要です。医療機関内のイスに座り安静にして様子を観察します。

・接種した当日は、帰宅後も安静に過ごしてください。

・接種した日に入浴しても問題ありませんが、体を洗うときに接種部位をこすらないようにしてください。

〔医薬品副作用被害救済制度〕

予防接種法の定期接種によらない任意の予防接種によって健康被害(医薬品を適正に使用したにもかかわらず発生した副作用により入院が必要な程度の疾病や障害など)が生じた場合は、医薬品医療機器総合機構法による被害救済の対象となります。健康被害の内容、程度等に応じて、薬事・食品衛生審議会(副作用・感染症等被害判定部会)での審議を経た後、医療費、医療手当、補償費などが支給されます。
問い合わせ先は下記のとおりです。

▼独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 健康被害救済部 救済制度相談窓口
電話:0120-149-931(フリーダイヤル)
URL:https://www.pmda.go.jp

アブリスボでRSウイルスから

赤ちゃんを守りましょう!

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