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2025.03.21
のどかなインフル検査
インフルエンザの検査って、鼻の奥に綿棒を入れられて痛いですよね。しかも、熱が出て12時間以上たっていないと検査をしてもらえず不便ですよね。そこで当院では、痛みのないインフルエンザ迅速検査〝nodoca(ノドカ)〟〔アイリス株式会社〕を行っていますのでご紹介します。
1.nodoca(ノドカ)って何?
nodocaとは、のどの奥をカメラで覗くだけでAIがインフルエンザにかかっているか(=インフルエンザに特徴的な咽頭所見があるか)を判定・診断する医療検査機器のことです。
2.nodocaの特徴
抗原検査はウイルスそのものを検出するのに対して、nodocaはインフルエンザ感染に特徴的な咽頭所見を検出して診断します。したがって、結果は抗原検査のように〝A型〟や〝B型〟などの種別はできず、〝検出あり(陽性)〟か〝検出なし(陰性)〟かのどちらかになります。
nodocaを用いた検査では次のようなメリットがあります。
1)発熱・症状が出始めてすぐに検査可能
一般的によく行われる鼻に綿棒を入れる抗原検査は38℃以上の発熱が出てから12時間以上たってからでないと検出するのは難しいです。一方、nodocaは38℃以上の発熱が出た直後から検査が可能で、発熱後12時間未満のインフルエンザ検出率は抗原検査よりも優れています。
2)痛みの少ない、患者さんにやさしい検査
抗原検査は鼻の奥の粘液をこすり取る必要があるため、奥まで入れてグリグリする必要がありますが、nodocaはのどの奥を覗くだけ。カメラは口の真ん中まで入りますが、奥まで挿入したりこすったりしないので痛みがありません。但し、舌でのどを隠してしまう方には、のどを十分に見えるようにするため舌をカメラで押さえて視界を確保することはあります。
3)判定開始から十数秒で判定結果を取得
抗体検査は結果が出るまでに約10~15分ほどの時間を要しますが、nodocaのAI診断は十数秒で判定結果が得られます。
3.nodocaの適応
□6歳以上で、十分に口を開けて舌を前に出した状態を5秒以上保持できる方
□38℃以上の発熱が出てから12時間未満の方
□鼻の検査(抗原検査)が苦手な方
※尚、以下の方はnodocaの検査ができません
□6歳未満の方
□口を開けるのが苦手な方
□舌の力が抜けず、舌を奥に引き込んでのどを隠してしまう方
□暴れて、大人しくじっとできない方
□無熱または37℃前半の微熱の方
4.nodocaの検査の手順
1)症状や経過についての問診を入力し、カメラの撮影準備をします。
2)口を縦に大きく開けたまま舌をしっかり前に出した状態を維持し、「エーーーーーーー」とできるだけ長く声を出し続けて下さい。
👈左図の姿勢を5秒間保持
3)カメラを口の半ばまで挿入し撮影を開始します。撮影時間は約5秒間です。
※舌でのどが隠れてしまっている場合、カメラで舌を押さえて視界を確保することがあります。
4)撮影した画像で診断可能かAIが判断します。十分にのどの奥が撮影できていない場合は再撮影が必要です。
5)十数秒後に診断結果が出ます。
〔撮影のポイント〕
直径21mmのカメラを挿入した際に、怖がって口の開きが小さくなり、出していた舌をのどの奥に引き込んでしまうと撮影ができなくなります。カメラが入ってきても、十分に口を開けて舌を前に出した姿勢を保持することが重要です。
基本的に痛みの少ない検査ですが、お子さんの年齢や性格によっては、何度やっても舌でのどを隠してしまう、舌を押さえるとえづいてしまうなど、nodocaの検査の方が苦痛に感じてしまう方もいます。その際は、nodocaを断念し、発熱後12時間以上たってから鼻の検査を1秒で終わらせてあげる方がよいでしょう。
nodocaは抗原検査と同等以上の検出率(感度76.0%、特異度88.1%)ですが、100%確実に診断できるほど万能ではありません。微熱時や発熱直後の検査で陰性であっても、時間をおいて陽性になることもあります。高熱などの症状が24時間以上続く場合は、nodocaを再検するか抗原検査を行うことが望ましいです。
尚、検査で得られた匿名化した画像・加工情報をnodocaのメーカーであるアイリス株式会社が今後の医療機器の開発やAI診断能力の向上、学会での情報共有などに使用する場合がございます。個人情報保護法第43条第3項、第44条に基づき、匿名加工情報に関する事項のリンクを掲載いたします。
https://publication.data-anonymization.jp/2714207897/information.pdf
〔まとめ〕
□nodocaは咽頭所見でAI診断するインフルエンザ検査です。
□発熱直後から高い診断率で検査でき、痛みが少なく検査結果が出る時間が早い。
□検査の対象は、発症早期に6歳以上で鼻の検査が苦手な方です。
□口を大きく開けて舌を前に出す姿勢を5秒以上保持できない方やえづきが強い方には検査は難しい。その際は適宜、抗原検査に変更する必要があります。
□発症早期に結果が陰性でも、発熱などの症状が続く際は再検査が望ましい。
花寺のどか